トップに戻る 2006年1月 日々好日 1月31日(火) 「地域猫」 ★近くの町を歩いていたら、こんな張り紙が、10メートルごとに何枚もしてありました。 実際に、どんな被害があったのかは知りません。増えて困るという気持ちもわからないでもないのですが、こういう一方的な、つまり人間サイドの都合だけを考えた対処の仕方は、どうなんでしょうか。人間に頼るしか生きていけないノラ猫を、「地域猫」として見守ってやってほしいものです。飼い主のいない猫との共存を考慮している地域が全国的にも広がっています。これは猫のためだけではなく、子どもたちにも命の大切さを伝えるいい機会だと思います。赤坂台のキララさんたちはその考えの先駆者で、ノラ猫を見つけるとご近所の人たちでカンパしあってノラの猫に避妊手術させ、飼ってくれる人を探していらっしゃいます。実はわが家にも、昨年末からノラが来ています。迷い猫かもしれませんが、とても人相(猫相)の悪い大きな猫です。えさをやるかやらないかで家族の意見も分かれました。えさをやれば飼い猫も同然、何かあった場合責任をとらなければならない覚悟がいるというのです。追っ払うのは簡単です。わが家には来なくなるでしょう。でも、それでは解決したことにはならないのです。寒い中、おなかがへったといって鳴いている猫を無視することは、人として恥ずかしいことにわたしには思えてなりません。地球は人間だけのものではないのです。 食欲は旺盛で、日に3度か4度やってきて、わが家の猫 の数倍も食べます。丸一日来ない日もあります。きっと もう一軒えさをもらえる家があるのだろうと話しています。 ★「単騎、千里を駆ける」を観にいきました。ストーリーがどうの高倉健がどうのということよりも、中国の風景・人に魅了されました。雲南省は、ぜひ行ってみたいところです。わたしが何度か行った中国は、どこも時が止まっている感じがしました。ぬかるみにくいこんだわだちの跡さえ郷愁をそそります。すっかり西洋化してしまった日本が失ってしまったひたすらさと裏切らない心がそこにあるような気がします。 1月30日(月) 「10年」 ★パスポートの更新にいってきたのですが、「10年ぐらいすぐ」という思いと、「石の上にも10年」だなあという思いが交差しています。10年前といえば、「モモイロハートそのこリュウ」で恐竜大賞をもらったころです。それからいろいろありましたが、願ってはいたものの、童話作家と呼ばれるようになるとは知る由もなし……。10年前のパスポートに貼り付けてある写真をしみじみ見ました。のんきな顔をしています。 10年前はいやだった写真 それから考えても、本日撮ってパスポートに貼ったわたしの写真は、10年後のわたしを知りません。いったいどんな老後を送っているのでしょうか。まだ童話を書いているでしょうか。もう10年先まで使えるパスポートに書き換えて海外に行く元気は残っているでしょうか。あくまで生きていることを前提に、あれこれ想像しているのですが、自分のことながら、10年後がどうなっているのか楽しみです。 ★ランチは、おなじみの「壁の穴」でカラスミと水菜のペペロンチーノを注文しました。にんにくの香りも香ばしく食欲をそそりました。お味もなかなかです。ん、この歯ごたえは……。なんと指先大に砕いたかずの子がふんだんに混ぜてあるではありませんか。やったあ。こうなるとワインを頼まなければせっかくのパスタに申し訳がありません。そのワインがとびっきり冷えていてしかも辛口。最高に幸せなランチタイムでした。 1月29日(日) 「ようこそ」 ★さみしかったわが家の掲示板2006にやってきたかわいいお客さまは、手作りの張子のお犬さま。まん丸いおだやかな顔が福を呼びそう♪ ★「千」、ひたすら書き直しています。といってもわが家は大家族ですので、何かにつけ振り回されつつの日常なので、自分に枷た今月末締め切りは難しいかもしれません。でも、がんばろう! と思いつつも、早々と眠ってしまいました。(夜中に起きればいいや)という軽い気持ちで。ところが、「当てとフンドシは向こうから外れる」とひいばあちゃんがよくいうように、夜中に孫が「ばあば」と泣きながらベッドにもぐりこんできて、朝まで添い寝することに。30日の早朝、腰痛の気配にお風呂に入り、7時に夫を駅まで送り、犬の散歩をして帰ってきたところで、やっと昨日の日記を書いています。これから朝食の用意、次女を駅まで送り、ゴミ出し。そのあとパスポートの書き換えに行ってきます。 1月28日(土) 「ハープと映画」 ★二週間も前のことです。偶然通りかかった喫茶店がなんともいい感じだったので、車を停めてお茶を楽しみました。そのときに、後日、ここでハープの演奏会があるということを知り、ハープの演奏を身近で見聴きしたことがないので予約を入れておきました。その演奏会が今夜あったので友人と聴きにいったのですが、残念ながらわたしが思っていた床に置いて弾くペタル付きの大きなハープではなく、ひざに乗せて弾く小さなものでした。天使が片手に持って空を飛んでいたり、マーキュリーが持っているあのタイプです。楽器が小さかったからなのでしょうか、余韻ないトツトツとした演奏は、音の軽さも含めて、イメージしていたものとはずいぶん違いました。友人はオカリナを習っているのですが、練習曲とほとんどダブっていたそうで、身につまされたそうです。 ★その帰りに、今日、封切りの「オリバーツイスト」(ディケンズ原作)を観にいきました。孤児がゆえに自分の意思とは関係なく流されていくオリバー少年。行く先々で出会う人々に振り回されつつも純真な魂を失わないオリバー少年を演じる子役は、とてもいい表情を見せてくれました。かっぱらいあり、ペストあり(たぶん)、絞首刑あり、弱いものが虐げられ、権力がのさばっている、まさにぬかるみそのものの19世紀のロンドンの町のようすが、建物を含めてなんとも魅力的に描き出されていました。悪い人がいればいい人もいる……。それにしても、今日はいくつもの映画の封切り日だったこともあって、映画館は超満員でした。「単騎千里を行く」も「有頂天ホテル」もチケットは完売でした。映画が斜陽といわれた時代は、いつの間にか終わっていたのですね。 ★月2回注文している自然農法の野菜が届きました。おもちゃのようなかわいい野菜たちを見てやってください。どういうふうに食べようかと思っていたら、風味も豊かな金山寺味噌が届きました。生でポリポリ。ニンジンも二十日大根も甘くって、自然の恵みという感じがしました。 1月27日(金) 「設定変更」 ★「千」の推敲を始めたのですが、1枚目で、はたと気がつきました。主人公のキャラ(性格)を変えよう、と。大胆といえば大胆。それによって会話や対人関係、流れなど多くを書き直さなければなりません。でも、そうするべきだと気がつきました。おととい観に行った映画が頭を初期化させるのにそれほど役に立ったとは思えなかったのですが、中1日でも作品から離れていたことはいいことでした。推敲というより書き直しになりました。 ★ライターの友人から、わたしのホームページの本や映画についてのコメントを楽しみにしているというメールをもらいました。うれしいです。別の友人からも、同じようなメールをもらいましたので、調子にのってオススメ本を紹介します。「思い出株式会社」(清水書院)です。わたしの中では、おもしろかった本のベスト3に入れてもいいかなと思っているぐらいです。 1993年発行の少々古い本のですが、著者の土屋嘉男さんは黒澤監督に見出され、「七人の侍」でデビューした俳優さんなので、わたしと同世代の方はよくご存知だと思います。今はどうされているのか最近お見かけしませんが、童話が好きで、おとなになってからでも、「大きくなったら何になろう」と思える心を持った人のようです。大きなお屋敷に育ったお坊ちゃんのまるで物語のような奇想天外な少年時代に、ああ、こんな引き出しがほしいと物を書き始めた頃のわたしはうらやましく思えたものです。この本は、ひいばあちゃんから、「あんた、おもしろいよ」とまわってきた本です。思えば、「とんがって本気」も「東京タワー」も、ひいばあちゃん経由の本たちです。 ★パンジョの童話教室の日でした。前回に引き続き今回も、「こわい話」の合評をしました。「こわさ」にもいろいろあるのだなあと、作品を読んでつくづく思いました。童話を書いていて、わたしの頭をいつもかすめることは、物語の向日性についてです。どんなつらい話を書いていても、ユーモアを忘れず、ラストは、「生きていてよかったね」で終わりたいと願ってきました。それが子どもの読む本だとわたしなりに定義づけているからです。もちろんこれからもその作風を守っていきますが、「こわい話」を合評していて感じたことは、わたしの定義で縛ってはいけないということです。「こわさ」というものには底がなく、だからこわいのであって、そこまで書いては子どもに向かないなどとブレーキをかけては、「こわいはなし」の世界が狭くなってしまいます。「学校おばけ」や「死んだはずの友人」だけが、子どもとってこわい世界ではないはずです。今回の作品の書き手は、自分のお子さんだけではなく、地域の子どもたちも含めて子どもが大好きなお母さんです。その人が書くお話には根底にやさしさが流れているはずです。チャレンジあるのみ。こんなこわい話もあるんだよと、自信を持って応募してみてください。 ★22日と24日の日記に書いた中国茶ですが、無印にも売っているという情報をもらいました。教室の休憩にみんなで飲もうと買いました。8玉入っていて480円。え、うそお。安さに驚きました。だって、先日のお茶は1玉380円でしたから。お湯を注いでみて違いがわかりました。作りが雑で、真ん中に花は入っていませんでした。むさくるしい感じがしました。残念でしたが、納得しました。1個380円で芸術を味わえたのだと、富田市にある中国人の経営する小さな中華料理店「華麗」を改めて見直しました。 1月25日(水) 「初期化」 ★今日はレディースデーで、女性はみんな1000円で映画を観られるとあって、映画館は混みます。シルバー世代のわたしはいつも1000円なので、何も今日観に行かなくてもと思うのですが、かといっていつでも行けるというわけにもいかないので、(んー、水曜日か)と思いつつ夕飯の後、出かけました。時間的なものなのか、「ハリーポッター」だったせいなのか、わりとすいていました。右隣の女性の食べるポップコーンの音が、カリカリと気になるのでちらりと見たら、なんと大きなバケツ型の容器なのです。あれを食べ終わるまでカリカリが続くのかと思うと、かなわんかなと思い、そおっと席をずらせました。それにしても、ポップコーンってあんな大きな音がするものなのでしょうか。今回の「炎のゴブレット」も面白かったのですが、こわがりのわたしでさえもあまりドキドキしなかったこと、意外性がなかったこと(怪しくない人がいちばん怪しいという定番)、ハリーをはじめ登場人物の成長が気になる、なぜ三つの魔法学校の生徒が死線を越えるような戦いをしてチャンピオンを決めなければならないのか、チャンピオンが決まったあとのことは次回のお楽しみなのか最後の盛り上がりがなく終わっているなど、頭の中を初期化するには、ちょっと物足りなかったかな。今夜は、あしたの教室の準備をして、明日の晩から「千」(課題)の推敲に入ります。かなり手を入れなければならないと覚悟はしています。今からがしんどいところです。 1月24日(火) 「紅い花」 ★「千」(仮題)の物語は静かに終わりました。こういう終結になることはプロットを立てた時点でわかってはいたのですが……。涙がこみあげてきました。これから推敲に入ります。一度、頭の中を初期化したいので、夜、映画を観に行きたかったのですが、時間のやりくりと体力のゆとりがありませんでした。今朝は暗いうちに起きたこともあって、眠たいばかり。早々とベッドにもぐりこみました。 ★中国の花茶。左のものにお湯を注ぐと紅い花が咲きました。 ⇒ 1月23日(月) 「たなぼたのよろこび」 ★汐文社から「メール便」が届きました。全国読書感想文コンクールで、「おじいちゃんとぼくのがんこ合戦」を読んだ男の子の感想文がサントリー奨励賞を受賞するそうで、その感想文のコピーが入っていました。いきいきとした子どもらしいとてもいい感想文です。わたしが伝えたかったメッセージをしっかり受け止めてくれたと実感します。「さとうきび畑の唄」の感想文も2作入選。その感想文も同封されていました(これは遊川和彦さんのテレビドラマをわたしが童話にノベライスしたもので、作者はあくまで遊川さん。わたしの名前は、構成 沢田俊子として小さく出ているだけですが)。課題図書でないにもかかわらず、子どもたちが選んで読んでくれ、感想を書いてくれ、その作品が入賞するということはよろこびです。「盲導犬不合格物語」もそうでした。本が出るまでは、なかなかたいへんでしたができたあとは、わたし自身は何の努力もしていません。幸運のきっかけは、島根県の四年生の少女が、本屋で偶然「盲導犬不合格物語」の本を手にとってくれたことからはじまります。買って、読んで、感想文を書いてくれました。その感想文が全国一になり、そのおかげで光栄にも全国の著者を代表して、皇太子さまの前でスピーチをさせていただきました。そのおかげで(たぶん)、産経児童出版文化賞をいただくことになり、紀子さまにお言葉をかけていただき、またそのおかげで(きっと)夏休みの緑陰図書に選ばれ、まんがにもなり(2社)、その流れで読書感想画中央コンクール」の課題図書に選ばれました。来年は本の中から一文が抜粋されて英語の教科書にのるようです。たなぼたを絵に描いたような幸運だったと思っています(そうそう朝日新聞で記事としてとりあげていただいたこともありました)。作家冥利に尽きます。でも、たなぼたに甘えているわけにはいきません。がんばってくれた子どもたちに応えるためにも、これをはげみに新しい作品を書いていかなければと、心をひきしめています。 1月22日(日) 「創作ゼミ10周年」 ★森井先生主宰の創作ゼミの定例会が、メンバーでもある「歩く鳥」さんのアトリエでありました。10周年になるというので、東京・高知から駆けつけた人もいました(遅れて写真には写っていない人も)。わたしも久々に参加させていただきました。合評作品は三作。それぞれの分野で活躍している人たちの集まりなので、提出作品も個性的なら、合評もなかなか手厳しく、それぞれの思いが丁々発止と飛び交って刺激的なひと時でした。 ★いろいろ珍しい食べ物に出会いました。 @甲子園の銘菓。トンボ一筋。 A赤い麹で醸造した日本酒 B知多半島の銘菓 なんと素晴らしいネーミング まさに紅い色をしています 「ごんぎつねのお栗もの ⇒ C花茶(右と左では花がちがう) 右の蕾をお湯を注ぐと、なんとまあ 1月21日(土) 「映画で息抜き」 ★作品「千」(仮題)の抜けていくべき道が見えてきました。一月中になんとか脱稿したいものです。かなりがんばった自分へのご褒美に映画を観にいきました。「博士の愛した数式」、もしくは「有頂天ホテル」をと思ってでかけたのですが、ポイントがたまっていて1本は無料だったことと、時間的に待たずに2本観る事ができたたので、欲張ってどちらも見ました。家族が全員家にいる安心感からゆっくりした気持ちで映画に浸りました。「博士の愛した数式」は、数字が苦手なわたしでも理解できるようにストーリーがシンプルになっていましたし、その出演者もみんな自然体でとてもよかったのですが、小説の方が数字の不思議さが克明に書かれていて、うんと面白かったように思いました。数字は美しいものだと教えてもらえた喜びは大きいです。薪能のシーンで原作者の小川洋子さんを発見しました。日本の風景の美しさに心が開放されていくようでした。驚いたのは「有頂天ホテル」です。450席がほとんど満席でした。三谷幸喜の作品なので、面白くないわけがありません。笑えるシーンは、その寸前からおかしくて、こらえていたのをぷっと吹き出す、そのくり返しでした。みんなわけあり人生。自分らしく生きればいいというメッセージは心強いです。それにしても篠原涼子は光っていました。日本映画が面白いとうれしいです。 1月20日(金) 「ニュースいろいろ」 ★孫のひきつけは、熱性痙攣というのだそうです。次回からは37度5分の熱でも気をつけないといけないそうです。心配してくださった何人もの方からメールをいただきました。心強かったです。ありがとうございます。中にはお子さんが7回も熱性痙攣を起こしたという友人もいて驚くと同時に、ちょっとやんちゃ目の元気な中学生に成長された坊ちゃんの顔を思い浮かべて、安心しました。 ★京都新聞新聞主催のお話を絵にするコンクールの発表の掲載紙が、汐文社の編集さんと京都の和馬くん(「ぼく、がんばったんだよ」のモデル)のパパから届きました。選定図書になっていたわたしの「行こうぜ! サーカス」(汐文社)を読んで感想画を書いてくれた子どもたちの絵も、上位の賞(「京都新聞社賞」や「全京都美術教育連合理事賞」など)をもらっていました。とてもいい絵でうれしいです。 絵や名前の発表は5面にも渡り載っていました。努力賞の名前の下には、「ぼく、がんばったよ」の広告も! ★和馬くんのパパからは、もっとうれしいお便りがありました。「ぼく、がんばったんだよ」の中でも書いたのですが京大の筋ジズトロフィーの治療に関しての研究で、一月から筋ジズの犬を使った実験がスタートされるそうです。よろしくお願いしますとおもわず手を合わせました。 世界的に注目されている京大のD教授から和馬くん のパパ宛にに来た手紙には、「本(「ぼく がんばったん だよ」)を読んで大変感動しました。簡素に、しかし印象 に残るように書かれており、非常に心に迫るものがあり ました」というコメントも。 また、同じく「ぼく、がんばったんだよ」の紹介が、その世界では有名な「アストロリコ」というタンゴバンドの会報誌に載りました。ヴァイオリン奏者の麻場さんは、「こんな風にどうやったら生きられるのだろう? 感心と感激と感涙する感動の一冊です」と書いてくださっています。また、「病気のことをよく知らないお子さんにもわかりやすく書かれております。ぜひ大人の方もみなさんご一読いや、ご多読ください」とも。ありがたいことです。尚、京大の研究室にもアストロリコにも、和馬くんのパパが本を送ってくださっていました。 アストロリコは、映画「二人日和」でもタンゴを演奏。 わたしが観た時、その映画は、「天使は自転車に 乗って」というタイトルでした。 1月19日(木) 「おさわがせしました」 ★孫にとっては、あこがれの救急車でしたが、それに乗って病院で点滴を受けたことはかなりにショックだったようで、ふとんにねかしつけると、「ばあば、だっこ」「ばあばだっこ」としがみついてくるので、今朝の7時まで、孫を抱いたままうとうとしました。今日は、保育園をお休みした孫とふたりで一日過ごしました。おかげさまで熱はさがっています。おかゆもおかわりをして、いつものようにおしゃべりもしていますが、ひきつけで体にダメージはあったようで、目が落ち込んでいます。休日診療センターに連れていったのですが、夜しかやっていないとのことでした。かなりの冷え込みなので無理をせずに、あしたママがかかりつけの小児科に連れて行くことになりました。急な高熱とひきつけ。いったい何だったのでしょう。いろいろなことがふっとんでしまいました。自分の子育てのときはいろいろあっても、すべて夢中で通り過ぎてきたのですが……。 1月18日(水) 「ひきつけ騒動」 ★いやあ、もう怖かったです。孫がひきつけを起こしました。夜、寝かせつけていたら、いきなりです。白目はむくし、体は硬直するし、息は止まるし……。ひきつけが終わってぐったりしている真っ白な顔をした孫は、死相が出ているようにさえ見えました。何がなんだかわからないまま、救急車のお世話になったのですが、救急車の来てくれるまでの長かったこと。「どれぐらいの間ひきつけていましたか?」と救急隊員に聞かれました。無呼吸の時間が長ければ脳に酸素がいかないので、いろいろ問題が起こるようです。お風呂に入ったばかりの夫がいくら叫んでも来てくれなくて、それから……。わたしには、じれったいほど長かったのですが、あんがい短い時間だったのかもしれません。ひきつけは急に高熱が出るときに起こるそうです。夕方、元気に保育園から帰ってきて、ごはんもしっかり食べて、ごきげんで、熱がでる兆候なんてまったくありませんでした。入院かもしれませんといわれていたのですが、検査の結果、点滴をすませれば帰ることが出来ました。インフルエンザが流行っているので、明日、もう一度検査をしてくださいということでした。夫から、「もっと冷静になれ。みっともないほどわめくな」といわれたのですが、お風呂から飛び出して素っ裸のまま電話にしがみついていた夫も、番地を間違えたり、男の子ですといったり、かなりあわてていました。よりによってママは外出、次女は出張中でした。もし、寝かしつけてしまってだれもそばにいないときにひきつけをおこしていたらと考えると怖いです。歯をくいしばる孫が舌をかまないように口に押し込んだ人差し指のずきずきを、ありがたく感じました。インフルエンザ、広がっているそうです。48時間以内ならよく効く薬があるんですって。みなさん、ぐれぐれもお大事に。 1月17日(火) 「書くことの深さ」 ★「とんぼの会」の合評会が心斎橋でありました。一作をみっちり合評しましたが、作品の場面ごとに話題がいろいろとんでいって、「そういえば、わたし……」という体験話に笑いころげたり感心したり。人生勉強もできるいい会ですねえ。気のあった仲間とのおしゃべりに、体が解きほぐされていく感じがしました。さて、わたしが一冊の本を書く上で大切だと意識していることは、その骨格となる大きなテーマです。それがあってこそいろいろなエピソードも生きてくるというもので、長編はエピソードのつなぎあわせだけでは決してないのです。もう一つ大切なのはキャラクターの設定。登場人物が動き出して物語をひっぱっていってこそ感動が生まれるので、物語に登場人物が引っぱられているようでは、どことなく無理があります。じゅうぶん面白い作品だったのですが、「書く」ということは深いですねえ。 ★後藤みわこさんが新作「ステラ」(講談社青い鳥文庫)を出版されましたのでご紹介します。 ここは月。机の引き出しからコリン星へワープできる……。2216年の少年たち(学園長だったり、不思議な能力を持っていたりする)は、いったいどんな活躍をするのでしょうか。わたしが子どものころには、月に行くことそのものがSFの世界でした。高速道路が交差して走っているイラストや高層ビルの絵を見て、あこがれていました。テレビも携帯電話も、工場のオートメーション化も、その頃はSFの素材として描くことができました。心臓手術などクローンなどが現実化されたに今の時代、みんなを驚かせて納得させるSFの世界を描くのは難しいことだと思います。SF大好き少女だったみわこさんの「空想宇宙小説」は、きっと読み手の期待を裏切らないことでしょう。 1月16日(月) 「書評」 ★「ぼく、がんばったんだよ」(汐文社)の書評がネットに出てますよ、とお知らせをいただきました。そのうちの一つには、 素晴らしい!2006年1月10日登録 ★★★★★ ぜひ皆さん読んでいただきたい! 筋ジスの子を持つ親御さんも、障害とは縁のない親御さんも、同世代の小学生たちもすべての人 のためになる本です!お涙ちょうだいになりがちな病気の子どものドキュメンタリーとは全く別物に 仕上げられた作家の着目にも素晴らしさを感じます。 と書かれていました。はげみになります。ありがとうございます。 ★学研さんから封書が来ました。岡山県のある小学校の司書さんと子どもの手紙が入っていました。司書の方の手紙によると、「大好きな作家にファンレターを書こう」という企画だそうで、返事をいただければ子どもが喜ぶとのことでした。作家が忙しいときは出版社から一言お返事を、と書かれていました。こういう企画が、読書好きな子どもを育てることにつながればうれしいのですが。 1月15日(日) 「お年玉年賀はがき」 ★お年玉年賀はがきは、切手が4枚当たっていました(だけでした)。たくさんいただいたのに当たらないものですねえ。わたしのまわりで、過去に一等に当たった人を一人だけ知っています。自営業の方で、自分で出した年賀状の番号を何番〜何番までと控えていたので、だれかはわからないまでも、出した年賀状が当たったことがわかったそうです。「だれやろね、だれに当たったんやろ」なんてご家族でいいながら自分の家にきている年賀状をチェックしていたら、あて先不明で帰ってきた年賀状があって、なんとまあ、その年賀状が大当たりの一等だったのです。運の強い人ってそんなものなのですね。お年玉年賀はがきの一等の景品がたんすだった時代もあったようですが、今年はハワイ旅行や国内旅行、ノートパソコン、DVDレコーダー+ホームシアターセット、デジタルビデオカメラ+プリンターセットから選べるようで、いいな……。 1月14日(土) 「代行運転」 ★飲み助の会という集まりがあります。といっても、ほんとうののん兵衛はひとりいるか……の集まりなのですが、そのひとりが欠席のまま、新年会がありました。昨年の秋に、Nさんをがはげます会をしようといっていたのが延びて忘年会になり、それも流れて新年会という運びになったので、全員揃わないのは残念ですが、とりあえずしてしまいましょうということになりました。お酒はなめる程度で(ほんまかいな)、おしゃべりに花を咲かせました。行きはメンバーの車で出かけたのですが、帰りは運転の代行を頼むことになったのですが、飲酒運転の法律が改正されてから代行運転を利用する人が増えたそうで、法律が出来るまでは大阪で24程度しかなかった業者が今は180ほどもあるそうです。電話をかけるとふたり一組でやって来るのですが、わたしたちがお願いした人はご夫婦のようでした。男性がこちらの車に乗り込んで代行運転し、女性が乗ってきた車でついてきました。とてもていねいに受け答えをしてくれる感じのいい人たちでした。事故の対策としては、追従してくる車に代行車の保険もかけてあるそうです。代行車を運転する人は二種の免許がいるのですが、電話がかかってくれば動けばいいので車の運転の好きな人にはいい仕事だなあと思いました。けっこう忙しいそうです。 ★おとといの日記で、「グッドナイト・ベイビー」のことを書いたところ、その歌をうたっている歌手はキングトーンズですというメールを何通もいただきました。お父さんといっしょに歌ったという思い出話や、得意のレパートリーなのでお聞かせしたい、インターネットで音源が聞けるなどの情報をもらいました。そして、今日は、「グッドナイト・ベイビー」の歌が入ったCDがポストに入っていました。 ヒットカーニバルというCDの中には、「アカシアの雨がやむとき」(西田佐知子)「夏の日の思い出」(日野てる子)「「恋のフーガ」(ザ・ピーナツ)「逢いたくて逢いたくて」(園まり)「恋の季節」(ピンキーとキラーズ」などなどなつかしい歌が18曲も入っていました。どの歌を聴いても、青春真っ只中にいるという思いがしました。孫が「グッドナイト・ベイビー」かけてというのでその曲ばかりくりかえしかけました。最初のうちは出だしを聴いて、「ちがう。グッドナイト・ベイビーにして」といっていましたが、そのうち慣れていきました。じいじが帰ってきて、いっしょに、♪グッナイ グッナイ ベイビーと歌っていました。われわれの世代にとっては、曲が聞こえてきただけで、思わず口ずさんでしまうなつかしい曲ばかりでが入っていてうれしいな、N山さん 1月13日(金) 「自然塩」 ★「とらちゃんつむじ風」を教育雑誌で紹介しましょうという、うれしいお電話をいただきました。文研出版から献本があったとのことですが、主人公の名前を確認させてくださいということでした。とらみは漢字で虎実と書きます。虎美と紹介された新聞もありましたので、確認していただいたことはうれしいことです。同時期に出た「ぼく、がんばったんだよ」のことお話しすると、それはいいテーマですねといっていただいたので、とらちゃんと合わせて(「とらちゃん……」は貸し出中で手元にないとおっしゃったので)二冊お送りすることにしました。 ★二週間の予定を一週間に切り上げて、夫がセブ島から帰国しました。短かったので、「楽しめた?」と聞いてみたろところ、「もちろん。海の中は別世界だから」ということでした。お土産は塩。精製されていない塩は甘くておいしいので、買ってきてねと頼んでおいたのです。小袋にわけるとほんの少しずつになりましたが、気は心ですので、ご近所さんに配りました。「もっと買ってきてくれればいいのに」というと「重いからね」。しかたがありませんねえ。 1月12日(木) 「なつかしい歌声」 ★今日はゴミ出しの日でもあり、久々の晴天ということもあって、犬の散歩を皮切りに忙しい一日が始まりました。いつもの日よりてきぱきと済ませることができたのは、パンジョの童話教室がある日だからかもしれません。教室は、わたしにとってたるんでいる気持ちをたかめる日でもあります。パンジョカレッジの受付でいつもプリントをお願いするのですが、それを見て、年末に、「おもしろそうですね。見学させてください」といってくださっていた受付の方がいました。半分は社交辞令だと思っていたのですが、今日、ほんとうに見学受講。結果、次回から講座を受けてくださるそうです。うれしいです。帰り道、夕日がとてもきれいでした。こんなことが事故につながるのだと思いながら、手探りでバッグからデジカメを取り出し、どうにか一枚写しました。カメラを探しているうちに坂を下りシャッターチャンスを逃しましたが、坂の上から見る夕日は、まるで子どもが画用紙に描いたような、天を突き破るほど大きくて真っ赤でした。 ぎんぎんぎらぎら夕日が沈む…… ★夜、次女を迎えに行く車の中で、偶然ラジオから流れてくる歌声を聴いていて、なつさしさが胸に突き上げてきました。 ♪ きっといつかは 君のパパも わかってくれる (二人の愛を) うしろをむいた ふるえる肩を 抱いてあげよう だから グッドナイト グッドナイト ベイビー 涙こらえて 今夜はこのまま おやすみグッドナイト グッドナイト グッドナイト ベイビー 涙こらえて 楽しい明日を 夢見てグッドナイト 歌手の名前は思い出せませんでしたが ♪ 涙こらえて今夜はこのままおやすみグッドナイト という、やさしいうら声がせつなくて、胸をしめつけられるような思いがしました。♪ グッナイ グッナイベイビー……とハモったのですが、歌い終わると後ろのベビーシートにいた孫が、「もういっかい」といいました。もういっかいというときは、その歌を覚える気まんまんのときで、最近では「もういっかい」をくりかえし、「たきび」をおぼえました。孫は、「ぐっないべいびー」が気に入ったようですが、駅に着いて車に乗ってきた次女には、いきなり聞いた「べいびー」が「べんぴ」に聞こえたらしくて大笑い。(うけた)と思った孫は、得意になって家に着くまで「ぐっないべんびー」をくりかえしていました。 1月11日(水) 「もう?」 ★加賀まりこさんの『とんがって本気』を読みました。@〜Cまでのうち、@「つんのめるように生きてきた」の項をたいへんおもしろく、興味深かったです。人との出会い、つながり、広がり……。また、パリで毛皮のコートをあつらえるということは、どういうことになるのか上流社会の生き方や、祇園の芸妓さんの人脈のすごさなどなど、普通では知ることができない世界を垣間見て、ほほうとため息が出ました。A〜Cは、歩んできた人生・仕事・恋・友人・家族のことなどが書かれていましたが、そうだ、未婚の母の走りはこの人だったことを思い出しました。今どきのきれいなだけの女優さんがうすっぺらに思えるほど、深くて、激しくて、真摯な生き方をしてこられたのですねえ。でも、けっこう世話好きのおせっかいおばさんなんだと、にんまりするエピソードもありました。 ★セブ島に行って数日しか経たない夫から二度目の電話が入りました。急用ができたので金曜日に帰ってくるそうです。思わず、「えーっ、もうなのぉ」といってしまいました。どうにか夫抜きの生活のペースに慣れ、今日は久々に創作に集中。停滞していた作品がほんの少しですが動き出してきたばかりです。このペースがまた崩れそうです。といっても、夫が帰ってきてくれた方が、助かることも多いのですが…… 1月10日(火)「乙女心」 ★深夜お風呂に浸りながら週刊誌を読んでいると、「ずっと乙女で生きる」人のこだわりが記事になっていました。かわいいもの、きれいなもの、ロマンチックなふんいきを愛するのは、少女でも女性でもない「大人の女の人」の文化だそうです。おもしろかったのは、その人たちの目指す先は、「かわいいおばあちゃん」で、その前に越えなければならない「おばさん化」があると書かれていたことです。おばさん化との戦い……か。 戦ってもむだですよ。あなたがどう思おうと、他人から見れば、年をとればみなおばさん。それが自然というものです。自然を愛し、さからわず、受け入れるのが乙女心というものではないでしょうか。ご存じないようなのですが、おばさんだってきれいなものは好きだし、かわいいものには目がありません。乙女チックな心だってたっぷり持っています。それにしても、あなたが目指しているかわいいおばあちゃんってどんな人なのでしょう。ご参考までに、一般的にいわれているかわいいおばあちゃんの条件を記しておきます。 @自己主張せず、A何かをしてもらうたびに「ありがとう」といい、B家族に迷惑をかけず、C健康で、Dいつもニコニコしていて、E金銭的に自立している……。 ずっと乙女で生きたいというこだわりを持ったあなたがかわいいおばあさんになれるように願っていますが、上記の条件についていえば、@あなたは自己主張しすぎです。Aたぶん、何をしてもらっても気に入らないことばかりでしょう。B「ママはいつかオードリーになりたいの」と自分のことしか考えていないあなたを家族はあきれているそうですが……。C心・身ともにです。DEそうあってほしいです。 わたしは、かわいいおばあちゃんにはなれるほど殊勝ではありませんので、少々我を通そうと、自分らしいおばあちゃんになって、自分らしい一生を終えたいと思っています。 1月9日(月) 「感謝です」 ★昨日、今日と頂きものの多かった日でした。思いがけないものやご丹精のものが次々届き、びっくりしたり、感動したり、おすそ分けに走ったり……。また、昨日、わたしが日本サービスドッグ協会に行っていたことを知った方から、募金をいただきました。ありがたいことです。あした早速振り込みます。 一斗缶にいっぱいの生牡蠣 甘いキーウイ2ダースも 丹精のお野菜は、今、貴重です 長野から届いた長いものおすそわけ 出産の内祝いにいただいたお湯飲み茶碗は、孫の大好きな桃太郎 1メートルはあるずしりと重い大根 心ばかりと記された引退犬への募金はなんと二万円 1月8日(日) 「日本サービスドッグ協会」 ★日本サービスドッグ協会の新年会が、奈良県の葛城市の新事務所でありましたので、お祝いをかねておじゃましました。初めての土地にいく場合、「本当にこの電車に乗っていていいの……」と、まるで小さな子どものようにどきどきすることもたびたびなのですが(間違えることもたまにあるので)、教えられたとおり三国ヶ丘でJRに乗り換え、天王寺で近鉄南大阪線に乗り換え、途中で各停にのりかえ……、なんとか目的の駅につきました。単線の駅にはタクシーは一台もなく、電話をして迎えに来ていただくことになりました。 リードをつけているのは、現役の盲導犬 ユーザーさんやボランティアさんたちといっしょに盲導犬や引退犬たちが七頭来ていました。さすがよくしつけられた犬たちで、部屋の中を自由に行き来していても他の犬ともめることも、吠え合うこともありません。ユーザーさんやボランティアさんは、それぞれ神戸、大津、堺、奈良など各方面から来られていましたが、老犬ホームの建設に向けて、力を合わせて進んでいかれるようです。みなさん和気藹々で、とても楽しそうでした。ボランティアのTさん(男性)は、今まで9頭の子犬のパピーウオーカーをしてこられたのですが、その子犬たちが盲導犬になって、やがて引退すると、みんな引き取ってこられたそうです。「だって、かわいい子犬時代を育てさせてもらったんですよ。最後の面倒はみて当然です」とおっしゃっていました。現在は4頭の引退犬を飼っていらっしゃるそうで、その食費は月6万はかかるとのことでした。 ★たからしげる著『落ちてきた時間』(パロル舎)を読みました。電車で出かけると集中して本が読めるのでうれしいです。 『落ちてきた時間』には、不可思議な九つの物語が収められています。(すごいなあ)と思ったのは、決してありえない異次元との接点を、少年・少女の平凡な日常からつなげてあることです。道を間違えたり、知らない人から親しげに話しかけられることがよくあるわたしは、どのお話も、もしかしたらあるかも知れないと妙に納得しました。昨年の児童文芸に一年間連載されていた作者の『由宇の154日間』は、最終回にすとんと心に落ちたものの、途中はちょっと難しかったのですが、連載ではなく一気に読んでいれば、また、この本を先に読んでいれば感じ方も違っていたかもしれません。同じ作者の本を何作も読んでこそ、作者からのメッセージが見えてくるものなのですね。おなじ作者の『ラッキーパールズ』を5日の日記で紹介しました。 1月7日(土) 「ど忘れ」 ★7時にセブ島にダイビングに行く夫を孫といっしょに駅まで送り、帰宅後、夫の代わりに犬の散歩(これが朝夕しばらく続くのか……)に行きました。長女が仕事に出かけたあと、休日出勤の次女を駅まで送り(孫を再び車に乗せて)、帰宅後ガレージに車を置いてその足で孫を保育園に送る。帰ってきて、ひいばあちゃんの部屋に朝食を運んで……。ここまでは息をつくひまもなし。なんと慌しい朝だったことでしょう。夕方、「今年は七草かゆをしなかったね」といわれて、うっかり忘れていたことに気がつきました。 ★赤ネギというものがあるのを始めて知りました。一皮めくれば、白ネギと同じにみえます。炊くととろりと甘く柔らかでした。サラダにもいいと書いてありました。 1月6日(金) 「児童文学と小説の狭間」 ★越水利江子著「忍剣可花百姫伝」A魔王降臨(ポプラ社)を読みました。 「壮大な時空ファンタジー、息をつかせぬ展開」と裏表紙にも書かれていますが、まさに……。魔界の威力は凄まじく、余談を許しません。そして、味方の者の頼もしさ、凛々さにも、ため息がでてきます。越水さんのホームページに、映画からの引用が書かれていました。「人生とは、呼吸をした回数ではない。呼吸を奪われた瞬間を言う」と。この本を読んでいて、まさにそんな瞬間がありました。続巻が待たれます。 ★石田衣良の「4TEEN](フォーティーン)を読みました。目が追いつかないというか、先がどんどん読みたくって、引きずりこまれるように読みました。そして深く考えこんでしまいました。14歳の少年たちを描いた物語なのですが、友情はともかく、性、暴力、病気、死、交際など今をえぐっていて、この時代に生きる子どもたちが生き生きと描かれていました。児童文学ではとてもここまでは描ききれないなあと、小説の懐の深さに感銘しました。山田詠美著「ぼくは勉強ができない」を読んだときも、同じ思いがしました。児童文学(童話)にはタブーがあって、でも、いつまでもタブーにしていては大人の目で見た都合のいい子どもしか描けないのではないでしょうか。現代の子どもの視点は、私たちが子どものころとはちがって、かなり大人なのだとあらためて感じました。 1月5日(木) 「なつかしい時代」 ★今年初めてのごみの回収日です。堺市はごみの収集が大雑把です。空き缶・空き瓶、大型ごみ以外は、燃えるごみも燃えないごみもいっしょくたです。わが家は分別を旨としていているのですが、それでも恐ろしいほどのごみの量です。乾いたごみは次回に出すことにしました。暮れの最終回収が早かったせいか、いずこのお宅もごみ袋の山です。寒い中、回収作業ご苦労さまです。 ★墓参のため京都に行きました。墓参のあとは一澤帆布に寄り、京都シネマで映画を観ました。「綴り字のシーズン」です。アメリカにはスペリングコンクールといものがあるのですね。それにチャレンジして勝ち抜いていく少女に父は、文字で綴った文章には神の言葉が秘められていると教える。コンクールに勝ち進んでいくたびに、理想的のように見えていた家族が破壊していく。母にも兄にも心の中に深い葛藤があった。それを元通り復元するのは自分だと気づいた少女がとった行動は……。 ★たからしげる著「ラッキーパールズ」(スパイス)を読みました。 今、「三丁目の夕日」(コミックではなく映画のほう)にスポットが当たっていますが、まさにその時代(昭和30年代)を描いた物語です。プロローグとエピローグとのつながりは感動的ですが、これがあるので子どもには難しいかもしれません。それを飛ばして読むといいと思います。じゅうぶん楽しめます。中学二年にもかかわらずおやじと慕われているリーダーと小学生たちだけの草野球チームラッキーパールズは、ずるい大人の指導者に率いられた少年野球チームと対戦することになります。子どもたちのパワーが感動的です。野球少年たちや指導者、かっては野球少年だったおじさんたちにもぜひ読んで欲しい一冊です。ラッキーパールズ9人のメンバーの家庭にもそれぞれの事情があり、昭和30代の人間模様がなつかしくもありドラマチックでもあります。 ★楠章子著「神さまの住む町」(岩崎書店)を読みました。 四話からなりたっているのですが、ちょっと不思議で心温まるお話は、どれもおもしろかったです。四話目は、一話から三話までの総まとめといえばいいのでしょうか、それぞれの神さまの正体が、あれまあ、おやおやと思っているうちに次々解き明かされていきます。暮らしの中に神さまがいると思えたのは、良き時代だったからでしょうか、それとも人情豊かな下町だったからでしょうか……。筆者にこんな素敵なお話を書かせてくれた神さまが、もうお一人住んでいらっしゃる町……。 1月4日(水) 「書けない時は」 ★高齢者クラブの空き缶回収でしたが、まだどこのお宅もお正月気分が抜けきらないようで、わずかしか出ていませんでした。ボランティアも最初は4人だけというひっそりしたものでした。終わり頃にぱたぱたと数人が顔を出してくれました。今起きたばかりという人も。まだまだお正月ですねえ。 ★牛……ではなく、娘に曳かれてバーゲン参り。見るもの見るもの欲しくなる娘に比べて、何をみても欲しくないわたし。孫の洋服を買って、そそくさと帰りました。 ★「絵本からご運後擬態語ぷちぷちぽーん」に続き、「生協の白石さん」読みました。白石さんのユーモアと愛に満ちた回答に、ほほうと感心しました。唐突な質問のかわしかたがおじょうずです。さりげなく販売促進につなげるチャッカリ技もお見事です。驚くべきは、11月2日に初版で12月1日には8刷だということです。1月の今ごろは何刷になっていることでしよう。ネットでの公開もうまかったと思います。わたしもそれを見てふらりと買ってしまいました。それでは、「ラッキーパールズ」を読んでみます。書けない時はあせらず、人の書いたものを読むのがいちばんです。お察しの通り、わたし、今、行き詰っています。 1月3日(火) 「お福茶」 ★昨日、次女が初詣にいって買ってきてくれた天満の天神さんの「幸うめ」でお福茶をいただきました。それにつけてもなつかしく思い出すのは、京都の北野天満宮の「大福梅」です。母が健在な頃は例年年末に梅を求めて持ってきてくれました。小さな梅なのですが、普通の梅干とは違ってからからに乾燥していて、しわしわなのです。まるで古代の梅干のようです。それを結び昆布といっしょに昆布茶に入れて元旦の朝にいただいていたのですが、そのことを天神さんにお参りした次女がふと思い出して、買ってきてくれたのです。天神さんの梅は大ぶりでしっとり柔らかです。最初は指示通り緑茶に入れたのですがもったいなくて、二度目、三度目とお白湯をたしましたが、三度目もじゅうぶんおいしくいただけました。 ★相変わらず食っちゃ寝状態でテレビを見ながらうとうとしていたら電話がかかってきました。明日、空き缶つぶしがあるそうです。明日から平常営業か……。とはいえ、家族それぞれの仕事始めは早い者で5日から。家の中は、まだまだお正月気分のままだらだらと、でしょう。それもまた良し。 1月2日(月) 「初仕事」 ★「盲導犬不合格物語」の中の「命を救ったベンジー」の一部が、再来年の(たぶん)英語の教科書に載ることになっているのですが、英訳したゲラが、今日届きました。スペースのかげんでかなり物語が圧縮されていているのはしかたがありません。でも、なんだかちょっと違和感があるのです。念のため次女にみてもらったのですが、うーん……、どうも肝心なところまで省略しすぎて物語の真意が伝わってこないようです。「お気づきの点などご意見を」ということなのですが、すでに初校というのがつらいです。ゲラになるまえに見せてほしかったです。でも、伝えなければならないところは、伝えなければと思いました。うれしかったのは、ベンジーとさとみさんの写真がいっぱい載っていることです。でも、そのために文章の部分が少なくなっていて、メッセージが伝わらないのでは、主客転倒でかな。 ★某出版社さんからの年賀状に、「是非、いっしょに仕事をしましょう」と書かれていました。社交辞令だとしても、もし、わたしにシッポがあれば激しく振って止まらない状態です。とびあがるほどうれしいのですが、今年はするべきことが多くて計画を立ててきっちりしないと、えらいことになりそうです。こうしてはいられないと昨年から引きずっている物語の展開について考えました。でもおなかがいっぱいで、考えがまとまりませんでした。 ★とんぼパーティで寄せ書きしていただいた「色紙」のメッセージをアップしました。 1月1日(日) 「あけましておめでとうございます」 ★年賀状の中に、「念願の五人目が生まれました」といううれしいメッセージが書かれた一枚がありました。この若いお母さんとの出会いは、喫茶店で偶然隣り合わせた事から始まりました。わが家の近くの母子医療センターで出産されたとかで、その日が退院でした。あまりにも小さくかわいい赤ちゃんなので、つい声をかけたのです。今どき、子育てが楽しいといって、五人も生んでくれるお母さんがいることは、童話市場からみても表彰状をあげたいくらいです。そうだ、久々に、「とんぼ賞」をあげましょう(お急ぎでない方は、とんぼワールドの中の「とんぼ賞」をごらんください)。 ★とんぼの「いろはかるた」更新しました。2006年は「創作の巻」です。とんぼワールドの中に入っています。 ★リンク追加しました。「たからしげるのブログ」・「うさこのひきだし」・「ようこそ! 吉村家へ」です。それぞれ素敵なメッセージが伝わってきます。 ★「食っちゃ寝正月」です。おとそも日本酒もいっぱいいただきました。鯛の塩焼きで、早くも鯛ごはんを炊きました。年末に、上等の酒のかすをいただいたので、それをみりんと味噌で練って、さわらを漬けました。夜に焼いてみます。貝柱と大根のサラダ、ぬか漬けも出しましょう。いろいろ調理してストックをしたので、買い物に行かなくても一週間は大丈夫です。 すき間のできたところに、新メニューを追加していきます |