日々好日 2003年2月

2月28日(金)
★急に、娘経由でチケットが手に入り、近鉄小劇場に芝居を観にいく。東京乾電池公演「雨上がりの夜空に…」。ゲストは藤山直美。主演・脚本はベンガル。主演・監督は綾田俊樹。観ている間、笑い放しだったのは、俳優のしぐさ、表情、台詞回しによるもので(いわゆる名演技というのだろう)、ストーリーは、いたって悲劇。回復に良く効くという湯治場に集まった記憶喪失の人たちが、それぞれ記憶を戻そうと葛藤していく内容だった。それを、喜劇仕立てにしてあり、結末は、記憶が戻っても家に帰れない者二名、記憶喪失の原因もわからないまま、記憶も戻らず、それで良しとする者三名(藤山・ベンガル・綾田)が湯治場で暮らしていくというものだった。思う存分笑わせてもらったが、待てよ。劇団の公演というのは、吉本や松竹などと違って、客を笑わせ楽しませるだけではなく、何かメッセージがあるはずだ。それが汲み取れないまま、落ち着かない気持で劇場を出た。

2月27日(木)
四年生「車椅子体験」「アイマスク歩行体験」「高齢者疑似体験」をしてもらうため小学校へ。各四十人ずつ、三班に別れて体験。指導は地域の福祉協議会理事、手話ボランティア、民生児童委員の計六名があたった。今回は、先生を通じて学級委員のお母さん方にも、ぜひお手伝いをと呼びかけてもらったところ、4名の参加があった。今後も、こういう機会があれば、もっとたくさんのお母さんに積極的に参加してもらいたい。そして、我が子といっしょに、同じ問題をリアルタイムで考えてほしいと思う。
★段取りよく運んだせいで、時間が少し余った。せっかく手話ボランティアさんに来ていただいているので、簡単な手話を教えてもらうことにした。歌で手話をすると、わかりやすくて、楽しい。「ふるさと」に決めたのは、動作もかわいく、変化に富んでいるのことと、何かにつけてよく使うので、いきなりでも大丈夫という安心感からだ。ところが四年生の児童は、「ふるさと」の歌を知らないという。先生にたずねてみると、学校では教えていないという返事が返ってきた。昔のいい歌がどんどん消えているとは聞いていたが、「ふるさと」までが……。驚きだ。たしかに、「ふるさと」の歌詞のような情景は、すっかりなくなってしまったかもしれない。だけど、ふるさとというのは、自分が生まれて育った大切な場所だ。たとえ、うさぎがいなくなっても、フナが釣れなくなっても、大人になってから心のよりどころになる場所にちがいない。いえ、そうあってほしいと願う場所だ。
   ♪ いかにいます父母
     つつがなきや友がき……
老いた両親を案じ、友を思う心まで欠くしてしまえと、いうのだろうか。

2月26日(水)
★早朝の豆乳買いに始り、久しぶりによく歩いた一日だった。夫が車を使っていたのでしかたがなかったからとはいえ、所用のため、それぞれに離れた10軒の家々をまわるのは、おっくうだった。が、早足でまわっているうちに汗がでてきて、運動不足気味の体には、なかなかいい感じだった。
★アメリカに留学中の娘からのメールで、空気が乾燥しているので、肌や髪ががかさかさになって困る。椿油を送ってほしいとのこと。「椿油って、あの?」「昔ながらのあれです」 なんとも、なつかしい響き、その文字。まだ健在だったかとうれしくなる。買って来て箱書きをみると、「水分蒸発抑制効果」「紫外線防御効果」「静電気抑制効果」「耐熱効果」「損傷防止効果」とある。ふーむ、なかなかのものではないか。あの頃、リンスはお酢。脱色はビール。栄養は「加美の素」。あ、そういえば、加美の素のコマーシャルソングが、あったはず。うーんと……。
   ♪ わたしのねえさん嫁ぐ日に
      さらりと長い髪の毛を
      梳かした 古い鏡台に
      ポツリと残した小さい箱
      緑の小箱は加美の素
子どもだった頃、米ぬかを布袋に入れて顔をあらっていたことを思い出す。おばあちゃんにいたっては、鶯の糞で顔を洗っていたっけ。美肌パックは小麦と卵を練り合わせて使っていた。マニキュアは花の汁で、ほんのりと……。ヘアーカラー剤やリンス、トリートメントなどがあれこれ市販されるようになって、まだ日が浅い。ネイルアートについては、ほんの昨今。ピアス、サプリメントなどなど、美容に関しては、めまぐるしいほどの新顔が。そんな中で「椿油」ががんばっていたのは、妙にうれしい。

2月25日(火)
五年生の先生から、児童に、地域のおじいちゃんおばあちゃんのお話を聞かせてほしいという要望があり、小学校に出向く。今日の講師は荒井さんと大仲さんにお願いした。荒井おじいちゃん(といってもまだお若い)は、山形県で過ごした子ども時代の生活を話してくださった。農村であったため、春休みや夏休み、冬休みの他に、「田植え休み」や「かいこ休み」(かいこが食べる桑の葉を採る)、農繁期の「刈入れ休み」や、「イナゴ取り休み」などがあり、子どもも大事な働き手だったという話に、みんな驚きながら、熱心に耳を傾けていた。一方、大阪の住吉区で育った大中おばあちゃん(もっとお若い)は、和泉市の松尾寺に疎開したときの話、物のない戦時中の話、終戦後の紙芝居の水飴の話のあと、器用にあやとりの一人遊びを実演。子どもたちから、「すごい」と歓声があがっていた。今月の昔遊びの会「竹とんぼ」でやったばかりの集団遊び「なべなべ底抜け」と「羅漢さんがそろったら」をした。最近、子どもたちが外で群れて遊ぶ姿を見かけないが、本来、子どもというものは、仲間といっしょに体を動かして遊ぶのが好きなのだろう、とても盛り上がった。最後は、みんなで花壇にパンジーなどの苗を植えた。荒井さん、大中さん、お疲れさまでした。

2月24日(月
★今日は、第四週の月曜日。「お元気です会」のある日。寝たきりにならないためのB型機能訓練という名目がある福祉協議会の活動だ。保健センターの太田さんからのちょっとお勉強は、「お薬クイズ」。(解答は下に。まずは考えてね)
薬が吸収されるしくみ
@内服役は普通(    )で溶けて、(    )で吸収する。
A一部は(    )で分解され、残りの成分が前進を巡って、必要な場所で効用を発揮する。
B働きを終えた薬は、徐々に(    )で濾過されて、尿として排泄される。
のみ方クイズ
@内服薬は、水なしで飲んでもよい。
A内服薬を、濃いお茶、牛乳でのむ。
B薬をのんで、直ぐ横になる。
C飲み忘れた薬は、次にまとめてのんでもよい。
D錠剤はすべてつぶしたり、噛み砕いてのんでもよい。
Eカプセル剤の中身だけのんでもよい。
保存方法
@薬には有効期限がある。
A薬は明るい場所で、手の届くところにおいておく。
B友達も同じ症状なので、もらっていた薬をあげた。
答え 薬が吸収されるしくみ (胃)(小腸)(肝臓)(腎臓)
    のみ方クイズ          (×)(×)(×)(×)(×)(×)
    保存方法            (○)(×)(×)
「ちょっとお勉強」の後は、紙コップと松ぼっくりを使って、けん玉を作り。紙コップに絵を書いたり、色紙をはったり、松ぼっくりに毛糸を巻いて、それぞれかわいいけん玉ができた。その間に、お弁当隊は昼食の準備。もうすぐひな祭りということで、蛤のお汁を奮発。手まり麩も愛らしく、いいお味だった。「お薬クイズ」でばっちり勉強したばかりだというのに、あれまあ、おばちゃんたち、お茶でお薬を……。習慣は、なかなか替えられないのよね。それにしても……。
片付けの後、保健士さんを中心に、次年度に向けて、年間計画を練る。
★夜8時から福祉協議会定例会


2月23日(日)
毎年、堺市立中央図書館で、地域の作家に聞くという講演会があって、今年は私にその指名がまわってきた。今日が、その講演の日。普通のおばさんから童話作家なるまでの道のりを、気負わずに話せばいいということなので、気が楽だ。ただ、環境問題を考える集い「大仙の杜セミナー」の皆さんも合流されるということなので、「想像できる子どもとできない子どもの環境」について、日頃感じていることから入っていくことにした。終わってみての反省点は、レジュメがあるにもかかわらず、あれも話したい、これもと、どんどん話が一人歩きしてしまったことに尽きる。参加していただいた皆さんが聞き上手だったので、ありがたかった。童話作家志望の七歳の男の子がお母さんと来ていた。どんなお話を書いているのかな。娘たちの子どもの頃を思い出す。図書館の皆さんが感じのいい方ばかりだったのが、うれしかった。
★なお、「大仙の杜セミナー」は、四回に渡って開かれ、共通テーマは、「道」。一回目の「童話作家への道」のあと、二回目以降は、「自転車ライフへの道」、「造園家として歩んだ道」、「南蛮への道」となっている。どれもおもしろそうだ。

2月22日(土)
★夫は、豪勢に丹波で「猪の会」。わたしは、地元で地味に小宴。小学校の歴代PTAの役員が集う「ふるさと会」があった。地域では、すでに子育て支援をしているが、来期はPTAでも子育て支援に取り組むと小耳に挟んだので、これはぜひ背中を押してこなくてはと、欠席予定を出席に変更。おばあちゃんと、今日、東京から帰ってくる娘に「ブタの角煮」など、二人の好物を作って出かける。「ふるさと会」の会長は、初代PTAの会長でもある石上外科の石上先生。校長先生もお三方ご出席で、とても楽しい会になった。出席した目的など忘れてバカ笑いしながらどんちゃかしていたら、すでにボランティアスタッフとして活躍中の若いお母さんが、現役のPTAのお母さんを二人、ボランティアに誘ってくれた。手始めに昔遊びの会から来てくれるそう。果報は寝て……、いや、どんちゃかして待て。
★家に帰ると留学中の娘からメールで、のどに炎症と口内炎ができたとか。9月にアメリカに行って以来、すごくハードな毎日で体を壊さないかと心配していた。なんでも初期治療が大事。ひどくならないうちに、休養と栄養をとってほしい。アメリカの大学は、入学してからの勉強が大変だと、かねてから聞いてはいたが、宿題の量の多さも、テストの回数もかなりなものらしい。よくがんばっているなあと思う。メールには、「心配しないで。パパとママのおかげで、体だけは丈夫なので」って、書いてあった。そんなのんきなことをいっていていいの? お気軽に様子を見にかけつけるわけにもいかないし……。アメリカは、やはり遠い。

2月21日(金)
★月・水・金は、毎朝、隣町の松井豆腐店で豆乳を分けてもらいにいくのが、最近の慣わしだ。瓶を入れた小さなリュックを背中に、往復40分の道のりを歩く。車の往来の激しい狭い道とはいえ、早朝の道は清清しい。とろりと濃い豆乳は、湯葉の甘い風味がする。もちろん、ここの豆腐はふっくらおいしい。絹揚げも最高。できたてを買ってくる。
★朝食後、確定申告のため税務署に。機械化されたおかげで、以前のように待たされることもなくスムーズに終わった。
★その足で京都へ。墓参のあと、証券会社で所用をすませる。京の通りをしばし探索。一軒の老舗旅館をみつける。中学生の頃住んでいたことがある町内だ。角の薬局も何でも屋も、横丁の酒屋もクラスメイトの家々も、すべて跡形なく、老舗旅館が残っていなければ、うっかり通りすぎていたところだ。見慣れない町並みの向こうに、通っていた中学校の校舎が見えた。その校舎も、モダンな建物に建て替えられていた。祇園精舎の鐘の音……。全て久しからず。
★6時からは吉橋通夫先生の童話教室へ。作品を鋭く深く合評しつつも、お互いを尊重しているいいクラスだと、いつも感じる。8時に終わるやいなや、即ご帰還の先生を見送って、仲間で居酒屋へ直行。大いに食べて飲んで、みんな元気だ。帰りの道は、いつもながら遠い。阪急、地下鉄、泉北高速鉄道を乗り換え、最寄の駅につくとほっとする。駅から家までは舗装された快適な緑道が続く。とはいえ、さすがに真夜中の人気(ひとけ)のない道は、気味が悪い。タクシーを奮発することになる。家に帰るとたいていは12時をまわっている。シンデレラならぬ「死んでれら」状態。それでも留守メールに返信を打つ。家族も犬も、、さっきまで走りまわっていた猫たちも、体を丸めてもう寝ている。日記もつけたし、さあ、週刊誌を持って、のんびりお風呂に入ってこよう。それにしても、今日も長い一日だった。

2月20日(木)
★第三木曜日は「おもしろクラシック講座」の日。(講師新山裕之氏)。寒さの一段と厳しい日にもかかわらず、用意した席はほぼ満席だった。今日の特集は、名曲のイントロとエンディングについて。この部分に、作曲家がいかに力を注いでいるか、イントロとエンディングをピックアップしたものを聴きながら、それらにまつわるエピソードを楽しくきいた。イントロは、第一印象ということで特に大切だということだが、それは、童話を書く場合もおなじで、いかに子どもを本の中にひきずりこんでいくか、書き出しには、いつも頭を悩ます。今日の「おもしろクラシック講座」のイントロは、皆さんおなじみの「早春賦」の歌詞について。
♪ ……葦は角ぐむ  
芽生えを、「角ぐむ」と表現するのは、他にすすき・はぎ・まこもなど。柳は「芽吹く」といい、ねこやなぎは「芽ぐむ」。松・桃は「芽立つ」、蝋梅は「芽さす」、わらび・つくしは萌出(もえいずる)というのだそうだ。そのあとCDにあわせてみんなで『早春賦」を合唱。ぐっとひきつけるいいイントロだったと思う。
新山さんのおかげで、貸し出し用のCDもずいぶん増えた。「メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲」((チョーリャン・リン演奏)と「ストラディヴァリウスの名演奏」のCDを借りた。
★童話コンクールの下読み作品(第三便)が、予定よりもずいぶん早く届いた。二便の分をまだ読みきっていない。少しあせるが、期限はまだ先、落ちついてしっかり読もう。
★夜、民生委員会定例会。

2月19日(水)
★所用があり、午前中とんぼがえりで難波まで。電車の中で「阿弥陀堂だより」を読む。映画も癒し系でかなかよかったけれど本は数倍素晴らしい。映画は、自律神経失調症になった妻美智子を連れて孝夫がふるさとに帰ってきた場面から始まっている。その後のストーリー展開も二人の結婚後にのみスポットがあてられていたが、南木佳士(なぎけいし)の原作には、孝夫と美智子が出会った高校時代のことや、幼年時代のことなども、ふるさとの風景、暮らし振りなどを交えてたっぷり書かれていた。(私が監督なら、幼年時代のシーンを入れただろうな)。映画を見終わった後に疑問としての残っていたいくつかが、本を読み進むうちに次々埋まっていくのが楽しくて、電車を降りるのが惜しかった。おうめばあさんの、「おや、どなたさんでありますか」という、たったこれだけのセリフのニュアンスが物語をふくらませていると感じたのは、映画のおうめさん役の北林谷栄を思い浮かべたからだろうか。会話といえば、孝夫の祖母が、貧しい日々の暮らしの中、床に着く前にいう、「あー今日も一日、ありがとござんした。ありがとござんした」に、参ってしまった。その心、忘れていませんかと自問自答。人物像を描くに当たって会話の大切さを、改めて痛感した一冊だった。

2月18日(火)
★「細雪」夜の部を観にいく。観客の笑い声やどよめき、拍手が、14日に観たときよりも多く、そのせいか舞台の上が一層華やかに感じた。ユーモラスな人物表現は、谷崎潤一郎の原作のままなのか、演出のせいなのか、改めて原作を読んでみるのもいいなと思った。「細雪」の見所の一つは、場面が変わるごとに着替えられる着物の数々。いったい何回着替えるのかチェックをするつもりが、つい舞台に見とれて忘れてしまった。人形展のシーンに登場するこいさんの真っ赤なスーツにきつねのショールは、着物にまけないほど、はっとする美しさだった。

2月17日(月)
ぶらぶら散歩の会。2月は毎年観梅ということで、荒山(こうぜん)公園まで足をのばす。高齢者と付き添い一人は往復タクシーで。ボランティアは徒歩で。片道約四十分。梅は満開。暖かないいお天気だったので、あちこちの老人ホームの人たちも来ていた。梅の木に混じって1本、「サンシュユ」と表示のある細い木があった。「あ、庭のさんしゅゆの木や」とだれかの声。「ほんまや」。たちまち数人が歌い始める。 
♪ 庭のさんしゅゆの木〜 なある〜すず ああ出てえ〜え〜 ほい えええ〜え じゃれよ
「これ何の歌だっけ?」「稗つき節」「そうそう、あんたよう知ってるね」「Tさん、ええ声やねえ。さすが民謡習ってはるだけあるね」「もういっかい歌おうか」「歌おっ」 ♪ 庭のさんしゅゆの木〜 ああ、のどか、のどか。
★昼から、打ち合わせ2件。@ライトハウスの藤川さん高橋さんAお元気です会の手作り打ち合わせ
★夕方、小学校の五年生の学年主任より電話があった。地域のお年よりに、子どもの頃のお話を聞かせてやってほしいとのこと。そのあといっしょに花壇に花を植えたいということなので、それなりにお元気な方をと思い、心あたりの方に電話をかける。四年生の体験活動については、アイマスク歩行の指導として、手話ボランティアをされているお二方に連絡。快諾をいただく。あとは、車椅子体験と高齢者疑似体験を担当してもらう人の確認をしなければ。学童の昔遊びの体験は、3月18日に決定。年度末のせいだろうか、学校関係の行事の支援の依頼が目白押しだ。

2月16日(日)
★短編、いよいよ書き始めようと、改めて出版社からの依頼書を見たところ、締め切りが、なんと3月10日になっているではないか。てっきり3月末だと思い込んでいた。でも、すでに頭の中で構成は組み立てていたので、書き出すと早い。……のつもりが、繋がらない個所が続出。しっかり取材をしたはずなのに、メモしていない部分の記憶がとんでしまっている。ドキュメンタリーなので、いいかげんなことは書けない。あわてて電話で確認をとる。明日の午後、この件に関して、ライトフレンズの藤川さん、高橋さん(電話の相手)と打ち合わせをすることになっている。それまでになんとか形だけは。綱渡りは得意中の得意。おばさんパワーの見せ所。腕がなるなる(ほんまかいな)。いえ、そう自己暗示をかけてがんばろう。

2月15日(土)
昔遊びの会「竹とんぼの会」の日。地域の子どもとの世代間交流をかねた子育て支援。今回は、昔の子どもたちが毎日のようにしていた「体を使う遊び」をした。まずは「なべなべ底抜け」。「そんなん知ってるわ」という子どもが何人かいた。(よしよし、今におどろくからね)と心でにんまり。まずは二人バージョンから始める。四人バージョンまでは、スタッフの指導でなんとかクリアー。「次は八人」というと、「えーっ、そんなんできるのん?」と、この遊びを知っていた子どもたちも、びっくりしている。次は十六人。すごく盛り上がっている。「最後に全員!」。どよめきがおこる。一年生から五年生まで、スタッフを入れて四十数人の大きななべが揺れる。
 ♪なべなべ底抜け 底がぬけたら かえりましょで、大なべが、どどどとひっくり返る。「さあ、こんどは裏向け」。
 ♪なべなべ底抜け 底が抜けたら かえりましょ
みんながいっぺんにつっこんできたから大変。手が離れてめちゃめちゃになってしまった。「なんで失敗したのかな?」といいながら、隣の女の子とつないだ手をあげてみせる。「こんな小さなトンネルだから、いっぺんには通れないよね」。わかれば早い。今度はすんなり大なべがひっくり返った。充実感でみんなにこにこしている。次の遊び、「羅漢さんがそろったらまわそうじゃないか」は、みんな初めてらしい。それぞれ好きなポーズを決める。
 ♪羅漢さんがそろったら まわそじゃないか よいやさのよいやさ よいやさのよいやさ 
よいやさのよいやさで、右の子のまねを順番にしていく。これがなかなかできない。もっともっとむずかしいと思っていた足バージョン(右足を順番に引っかけていって足で輪を作り、けんけんをしながらまわる)の方がすんなりいった。ゴム跳びをする前に、子どもたちに五本ずつ輪ゴムを配る。つなぎ方を教える。ほとんどが初めて。五本ずつつながると、それをたして、どんどん長くしていく。「みみずがへびになっていく」。輪ゴムをつなぐだけでも、けっこう盛り上がる。ながーくつながった輪ゴムで大きな四角を作り、そこをとんだりくぐったり……。思いっきり体を動かして遊んだあとは、紙芝居。みんなしーんと聞いている。お誕生会をして、帰りがけに、焚き火にくべていた焼き芋をもらう。「いつから用意してたん? たいへんやったんちがうん?」と聞いてくれた子がいた。欠席だったお姉ちゃんにも焼き芋がほしくて、でもそれがいいだせなくて、じっと待っていたやさしい弟くんがいた。焼き芋を火バサミで取り出すのを手伝ってくれる子や、大きいお芋が出てくるのを待っている子もいた。みんなとの距離が、回を重ねるたびに、少しずつ近づいていく実感がうれしい。
★童話コンクールの選考作品の下読み分の2便が届いた。読み終えていた1便を、次の選考者に送る。一つの作品を三人が読み、そのあと最終審査に入る。

2月14日(金)
「細雪」の芝居を観にいく。女優陣の華やかなこと。格式を重んじる蒔岡家の長女に佐久間良子、心配りの行き届いた芦屋マダムの次女役に山本陽子、おっとりした三女に沢口靖子、自由奔放に生きる四女に南野陽子。それぞれうってつけの役だと思ったのは、やはり演技の力なのだろう。時代に翻弄されつつもたくましく生き抜いていく四姉妹を通じて、過ぎ去った良き時代をたっぷり偲ばせてもらった。ため息と、笑いと涙に、1919席がいっせいに揺れた二時間余だった。沢口靖子さんのご実家が地元だということで、楽屋に通していただいたが、近くで拝見すると、一層お美しい。「仁淀川」の役作りのため少し痩せられたと伺っていたが、一ヶ月の舞台公演、ぜひ、お体に気をつけてほしいと切に思った。「ふうん……」を使い分ける妙技はさすがだ。

2月13日(木)
ええいっ!とばかり気合を入れて美容院に行く。まとまった時間がとれず、足が遠のいていた。「9月以来ですよ」と担当さんにいわれ、そんなに? と驚く。「今日は、どうされます?」「ナチュラル派でいきます」と私。「え?」と担当さん。「ヘアーカラー、もうしません」。パーマは、ここ何年もあてていない。カラーだけはこまめにしていたのだが、忙しくて遠のいていた間に、自然が一番いいような気がしてきた。「そうですね、それもいいと思いますよ」。彼女はカットがうまい。そのカットに賭けてみようと思う。が、中途半端なごま塩頭は小面憎いかも。口とお揃いになっては周りの人が迷惑だろうし、ま、様子をみてみよう。
★昼から民生委員の南地区全体の地域福祉部会があった。新年度は何をテーマに活動をするかで、喧喧諤諤、意見が交わされた。結果、いいテーマが見つかり、妥協せず話し合うことの大切さを実感。それぞれ違った問題を抱えた他校区の委員さんと話し合うのは、大変勉強になる。

2月12日(水)
堺市児童委員全体研修会に出席。地域子育て環境づくり支援事業として、大谷女子大学のN助教授の「子どもと家族を支えるために・子育て支援とコミュニティの再生」と題しての講演を聴く。お人柄の暖かさが伝わってくるいい講演だったと思うが、期待していた地域でのボランティア活動に役立つ具体的な提案はなかった。聴き手は勝手にあれこれ期待しているわけで、講演の難しさを痛感。今月末の自分の講演とダブらせ、真摯な気持になる。
★ぴあで後藤竜二さん原作の芝居「「乱世山城国伝」のチケットを買う。楽しみだ。
★日本児童文芸家協会の漆原智良先生からファックスが届いていた。ファックスの調子が悪く、見るのが一日遅れてしまった。拙作「アイディア料理は風太におまかせ
を雑誌「灯台文庫」に推薦してくださった記事のコピーだった。先生は、本が出るといつも雑誌や新聞に推薦してくださる。ひたすら感謝。

2月11日(祭)
★歩く仲間と長浜まで盆梅を観にいく。大阪駅から新快速で90分で、雨の長浜に到着。盆梅を展示してある慶雲館は混んでいるようなので、先に昼食をとることに。電車に乗っている間、その不思議さとおいしさを吹聴してきた鯖ソーメン。どうじゃ? とばかり、みんなの顔をみる。おっ、というおどろきの表情。うん、よしよし。さて、次はお味。すっごくおいしい? さもあろう、さもあろう。推薦者としては大いに満足。とにかくおいしい。(一目見たい方は、HPの「目より」のコーナーで)。
★盆梅は、想像していた以上に素晴らしかった。鉢植えされた古木から若い枝がつんと伸び、その枝には、小さな蕾が明日を夢見てふくらんだいる……。何世代もが互いに支えあって浅い春を密かに歌っているといった感じが、実にいい。盆梅といえども、枝が天まで届くような大きなものもある。梅は三度よしというらしい。枝良し、花良し、散ってよし。うーん、なるほど。大通寺の「あせび展」にもいったが、蕾まだ固し。早めの夕飯に、噂の鴨鍋を食べる。なっとくのおいしさだった。地酒を試飲。地ビールをも。まさに忙中閑あり。明日からがんばるぞ。
★9時に帰宅。夫が首をかしげながら、「おふくろが6時にしかけた牡蠣ごはんが、まだ炊けないんだよ」という。どうやら炊飯器のスイッチを、二人して入れ間違えていたらしい。夫も義母ももう満腹らしい。ほどなく帰ってきた娘と、炊き立てのほっくりとした牡蠣ごはんをいただくことに。ほんま、ええ日♪

2月10日(月)
★第二月曜日は雑巾さんの会。中高齢者が集まって、老人ホームに寄贈する「介護用雑巾」を縫う。94歳のOさんの縫われる雑巾は、縫い目が刺し子のように美しい。世間話もにぎやかに一時間ほどで、50枚の雑巾が縫いあがった。お茶菓子をつまみながら日本茶で休憩。話題は、キム拓の赤ちゃんの名前から孫の名前になった。兆星、巴望、汐南、心愛、真人、冴将、泰智。いったいどう読むのでしょう。(きあり、はのあ、しおな、もとか、まひと、さすけ、たいち)。若い両親が気合を入れて考えた我が子の名前は、我々おばさんの古い頭では思いもつかない名前ばかり。個性が光っている。というか、学校に行くようになったら、きっと先生方がたいへんだろうな、と、心配性のおばさんたちがうなずきあうことしきり。

2月9日
★「仕事について聞かせてください」と女子中学生がやってきた。ボランティアクラブにいたMAさんとMOさん。共通の質問表があって、それにそって答えればいいらしい。「どんな仕事ですか?」「その仕事をすることになったきっかけは?」「仕事をしていてうれしかったこと」「失敗したこと」などなど。しめくくりは、「今の中学生に何かひとこと」ということだったので、「早くなりたいものを見つけてほしい」と答える。そのためには、6・3制を5・4制にしたらいいという話で盛り上がる。

★質問が終わるころ、現在ボランティアクラブに入っている小五のmaちゃんとaちゃんがやってきた。五人でおしゃべり。MAさんとMOさんは、小説のようなものを書いているといって、作品を見せてくれた。中学生らしい感性が詰まった散文詩のような短編に、友達とリレー式に書きまわしているという連作もある。メルヘンチックな冒険物語も。何れもしっかりした文章だ。「すごいねえ」というと、「これぐらい、みんな書いている」とのこと。去年まで、小学生だったんだよね、と驚く。小五の二人は、いつものおしゃべりぶりはどこへやら。先輩たちの気炎にたじたじ気味で、「話が難し過ぎてわからへん」と小さくなっている。それがほほえましくもあり、かわいい。「二歳差は大きいか」とつぶやくと、お姉さまたちは、「うちらがわからへんのは特別やねん」と笑いながら、中学生になってよかったことなど、後輩に話していた。ちゃっかりクラブ勧誘も。おしゃべりしている瞬間も、若芽のような四人がどんどん成長しているのが手にとるようにわかる気持のいいひと時だった。

2月8日(土)
映画「折り梅」を観にいく。堺の福祉をすすめるコスモス後援会主催ということもあって、わたしもチケットを売らせていただいたが、思っていたほど売れなかった。いい映画を観て、わずかながらカンパもできるという趣旨がうまく伝わらなかったのだろうかと落ち込んでいたところ、一回目の上演が終わって、どっと人が流れ出てきた。二回目もけっこう席がうまっていた。多分三回目も……と、ほっと胸をなでおろす。ストーリーは、同居をはじめたとたん義母がアルツハイマー痴呆症になり、嫁とその家族の葛藤がはじまる。嫁の立場で身につまされつつ観た人もいれば、姑の立場で行く末を不安に思いつつ観た人もいたことだろう。痴呆がはじまってから絵の才能が芽生えるという人間の底に秘めた可能性に心打たれ、家族の絆の強さに安堵し、老いに希望がもてる、人にやさしい映画だった。

★先月、同じアルツハイマーを描いた「アイリス」という洋画を観た。女流作家として魅力的に奔放に生きた若い頃のアイリスの溌剌としたシーンと、老いてアルツハイマーになり自分を失っていく過程が、交互に、酷なほどリアルに映されていく。アイリスを心から愛し、一生懸命介護する夫ですら、ふりまわされ、怒鳴り散らす毎日。彼女の死でしか、すべてが解決できなかったというストーリー展開が、ずっしり重く心に残った。どちらも実話ということだが、徘徊のシーンにしろ、人間性の描き方にしろ、これでもか、これでもかと追い込んでいく「アイリス」の方が、より深く考えさせられた。いずれにせよ、ここ一月の間に、アルツハイマーをテーマにした二本の映画を観ることができ、自分の老後について考えるいい機会をもらったかな。

2月7日(金)
★朝早く、児童文芸家協会から宅配便が届く。コンクールの作品が、長編ばかり4作品入っていた。それが三回届くことになっている。最終審査に入るまでの下読みだ。童話作家をめざしている人たちの思いがこもった作品なので、心して読ませていただこうと思う。十年も前、私もこのコンクールに応募、佳作をいただき、表彰を受けるため東京にいったことがあった。初めて見る作家さんの集まり。それだけでも、心高まる思いがしたものだ。それから先、一歩一歩、見えない何かに向かって歩いてきた。微々たる一歩が、今日につながっていく大切な一歩だったのだと当時に思いを馳せる。


★元赤坂台小学校にいらっしゃった楠校長に、新刊「アイディア料理は風太におまかせ」を持参する。小一時間おしゃべりさせていただいただけで、すごいパワーをいただく。ふくよかな精神はふくよかな体に宿る……のかも。うーん、もっと太ろうかな。

★とれとれの小あじがお安かった。たくさん買って南蛮漬けにして、ご近所の老夫婦におすそわけ。三組のご夫婦とも、それぞれ病院にかかりつつも、とてもすてきに暮らしていらっしゃる。老後を夫婦だけで睦まじく暮らしていく極意は、ご主人が厭わず家事をすることにあり、とみた。むむっ。我が家も後に続きたい……んだけどな。


2月6日(木)
昔遊びの会「竹とんぼ」の打ち合わせ。昨年に4月から始まった地域での子育て支援、並びに世代間の交流でもある。スタッフは福祉協議会の理事たちと地域の中高齢者。おじいちゃんとおばあちゃんの温かい目が子どもたちにやさしい。当日は、下は幼稚園児から六年生までがやってくる。小さい子は小さい子なりに楽しめて、高学年は高学年なりに工夫できること、そしてけがをしないことなどなどを条件に、毎回なにをさせたらいいかを話し合う。2月のテーマは外遊びと焼き芋。最近の子どもはよく骨折するときいているので、胴馬やおしくらまんじゅうは避けた方がいいだろう。年齢に関係なく体を動かせて遊べるもの、ということで、「なべなべそこぬけ」から「もつれてほどく」手つなぎ遊びと、「羅漢さんがそろたらまわそじゃないか」の足かけバージョンと、まねバージョン、それにゴムとびに決まった。ゴムとびのゴムは子どもたちにつながせる。
みんなを遊ばせている間に、焚き火で焼き芋をやく。失敗のないように前もって茹でておいて、落ち葉の中で焼き目をつけることにする。茹で時間は30分。ホイルで包むより、新聞紙で包んだ方が、水気がとんでおいしくできあがることが、今日のリハーサルでわかった。試食したさつま芋は、ほんのり焦げて、煙の味と匂いがなかなかグーだった。平均年齢が70歳に手が届きそうなスタッフのパワーと知恵は、いつもながらすごい。

学研から電話があり、「読み特」のページ数が決まった。「読み特」に掲載される一方、単行本にもなるということなのでで、がんばらねばと力が入る。この冬「読み特
に掲載された「命の重さはみな同じ」も単行本にしてもらえることになり、再度取材、書き足すことになっている公私共にいろいろなことが重なってうれしい悲鳴。ここは、一つ一つ慎重にクリアーしていこう。

2月5日(水)
★今日は老人会の空き缶回収の日。冬季のせいだろう、回収された空き缶はいつもの半分ぐらい。老人会のメンバーが五人、応援隊が五人程集まり、足でがんがんつぶしていく。キルティングのジャンパーを着込んで、首にはマフラーをぐるぐる巻きにして。今月は五千円ちょっと。多いときには二万円近くになることもある。捨てればただのゴミ。回収すれば、まさにお宝。ぜひおすすめだ。

★昼から、小学校のクラブ支援。私が受け持っているボランティアクラブは、老人ホームのお年寄りに、子どもたちのお元気パワーを送ろうと、お元気カードを作らせた。色画用紙に、思い思いに励ましの言葉や絵を描かせて、大きな模造紙にはる。製作中、三年生の子どもたちがグループに別れて次々クラブ見学にやってきた。最初は、私がボランティアクラブでは何をするか説明をしていたが、途中からは部員たちが、「車椅子にのったよ」「盲導犬がきた」「お年寄りに変身して、小銭を出して切符を買うまねをした」「一人暮らしのお年寄りに年賀状を書いた」「昔のお話をきいた」「介護用雑巾も縫った」など、順番にいってくれ、「ボランティアクラブはおもしろいから、入ってね」とすすめてくれた。「ボランティアクラブに入って楽しかった人?」と聞いてみたら、十五名全員が手を上げてくれた。うれしかった。完全五日制になって、クラブのある日が減ってしまった。今年は、後一回で終わり。リサイクルについて詳しくできなかったことと、老人ホームの慰問ができなかったことが残念だった。

2月4日(火)
ミニミニ同窓会。東京に在住の、電通時代の先輩Sさんご夫妻が、一週間ばかり上新庄のお宅に帰って来られているというので、急遽、元女性社員五人がお伺いすることになった。三十五年ぶりに逢う人もいる。約束の時間の十分前に上新庄の駅に着く。改札を出たところに知らないおばさんが一人たっているだけで、だれもいない。みんなまだなんだと思いつつ、携帯電話を探していると、「俊子さん?」と声がかかった。知らないおばさんが私を呼んでいる。(え、もしかしたら、聞いていた五人のほかにもこられるんだ。だれだっけ?)。とっさに思い出せない。うんと先輩の方かもしれない。「俊子さん、山本俊子さんでしょ?」と旧姓を呼ばれた。ということは、知っている人? 頭の中はポップコーン状態。そばによりつつ、まだわからない。「……あっ、Nちゃん!」「すぐわかったわ」「いやあ、わからへんかったわ。そうかて、昔は、髪の毛をこういう風にぎゅっとアップにしてたから」「そんなん35年も昔のことやんか」。そらそうだ。いったんわかれば、まさにNちゃんだ。なつかしさがこみあげてくる。もう67歳になったそうだ。
かっては上司だったSさんを放ったらかしにして、女性六人のおしゃべりは、ビールでのどを潤わせつつ、とめどなく続く。自由が丘夫人としてのS奥さまのリッチな交際ぶりにため息をつき、新地の小料理屋のママになるという部長で定年退職したばかりのOちゃんに驚きつつ、痴呆になられた父親と義父を看取ったK女史の晴れ晴れとした笑顔に溜飲を下ろし、Hちゃんのあいかわらずすっとぼけた発言に大いに笑い、亡くなった男性社員の名を連ね、噂をし、瞬くうちに時間はすぎていった。旧知は良きかな。「俊子さんは、その頃からひらめいたといって、よくメモっていたよ。だから本をだしても、私、ちっともおどろかない」とS夫人にいわれる。「えーっ、ほんまに?」。自分のことなのに、何も覚えていない。いったい、何をメモっていたのだろう?

2月3日(月)
★第一月曜日は「みんなカナリアの会」。あいかわらずの大盛況。60数名の参加。スタッフ12名。
オリジナルのテーマソング「みんなカナリア」を歌った後は、唱歌・童謡のコーナー。いつものように指導の長澤真理さんの楽しいおしゃべりを交えつつ、メドレーでつぎつぎ歌っていく。中盤に加藤寛一さんのナツメロコーナーがあり、きょうは、「寒い朝」と「誰か夢なき」を歌った。「誰か夢なき」という歌を五十代後半までの人は知らなかったが、微妙なところで60歳過ぎは知っておられ、もっと年代の高い方々は、さもなつかしそうに心をこめて歌っていらっしゃった。ほっと一息のティータイムのあとは、谷さん担当のケイコチャンコーナー。2月生まれの方へ「お好きな歌」のプレゼントの後、節分ということで、「鬼のパンツ」をゼスチャーつきで大爆笑、ではなく大合唱。ケイコちゃんから元気をもらう。再び童謡を数曲歌って、♪いつまでも変わることなく〜 でお別れ。あとかたづけをすませて反省会をした。

★アメリカに留学中の娘に宅配便を送る。それにしても送料のお高いこと。毎回、頭が痛い。昨年のことだが、こちらから送った荷物がめちゃくちゃになって届いたと娘からメールが入った。ダンボール箱が鋭利な刃物で真二つに裂かれ、中が丸見え状態で、透明のビニールで荒々しく補正されていたというのだ。あとでわかったことだが、いわゆる税関のチェックが入ったらしい。アトランダムに入るので、どうすることもできないとのこと。アメリカはテロの関係で、一層チェックがきびしくなっていて、荷物の到着がかなり遅れることもある。

2月2日(日)
ほのぼの会の節分会。わたしはお手伝い。受付で会費300円を集める。高齢者35名参加。スタッフは23名。昼食まで福笑いゲームを楽しむ。松花堂弁当は「巻き寿司。いわしの柔らか煮かつおまぶし。紅白なます。煮豆。たまごのふくさ焼き。ほうれんそうのおひたし。さつまいもの茶巾絞り。おでん五種。お吸い物」。どれも、ほのぼの会のメンバーの愛情料理ばかりだ。食後、紙芝居をする。民話の「ねずみきょう」。お経を知らないお坊さんが、壁からでてきたねずみのようすを次々即席に唱えた「おんにょろにょろ、でてこられそうろう」の念仏の展開が愉快なお話で、けっこう受けてもらえたかな。

2月1日(土)
かって、私の支援しているボランティアクラブに入っていた少女から電話がかかってきた。
「中学校で、いろんな職業について調べているので、話をきかせてほしいんです」「おばさんの仕事って、なんだと思う?」「童話作家」。お、うれしいじゃないの、なんでも答えてあげる。次の日曜日に約束をする。友達もいっしょに来るという。その子も、ボランティアクラブにいた子だ。そういえば、現在ボランティアクラブにいるまみちゃんと梓ちゃんも、「先生の家に遊びにいきたい」といっていたっけ。なかなか時間が取れないことと、家が片付いていないことでそのままになっていた。お誘いメールを打ってみよう。五年生のまみちゃんとは、時々メル友の間柄なのだ。

★堺の広報紙に、中央図書館主催の「著者と語るつどい」の案内記事がのってがのっていた。今年は、わたくし沢田俊子にお名指しがきて、「童話作家への道」と題して講演することになっている。体験を話せばいいのだからと気楽に考えていたのだが、「大仙の杜セミナー」が合流すると知って、どぎまぎしている。広報誌によると、「大仙の杜セミナー」は、環境問題を考える集いらしい。二回目は[自転車ライフへの道」。三回目は「造園家として歩んだ道」。四回目は「南蛮への道」。一回目の「童話作家の道」と、どうやら道つながりらしい。どうこじつけるか考えるのも、けっこう楽しい作業だ。といってるのは、今のうち……かも。