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     2006・8

    



8月31日(木)「新しい本と古い本」

★毎日新聞連載の「うめぼしばあばのおべんとう」、今日が最終回でした。見てくださっていたみなさま、ご愛読ありがとうございました。

★(行きたいなあ)と思いつつ、見送ってしまったのは、「こどものともの絵本展」。姫路で開催されていたのですが、今日までだったんです。保育園のお迎え時間に間に合うかどうかが、外出の決め手になります。朝、一番に出てしまえばよかったのですが、今日はいろいろあって、そうもいきませんでした。ま、いいかとあきらめられたのも、孫にすてきな絵本が届いていたからです。 
 
               

         
新しいものには目がないテルがチェックをいれにきました(しっぽ)

「みんなうんち」は、たちまち孫のお気に入りに。だれかれかまわずつかまえては、「よんで」をくりかえしています。というのも、わがやのわんぱく姫は、今、「うんち」にとりつかれています。歌をうたえば、♪ あか しろ うんち というぐあいに、歌詞の一部が、かならず「うんち」になってしまいます。「だめ」といわれると受けたと勘違いして、「うんち」に、「おっちゃん」、「おっぱい」が加わります。ほんとに、ねえ。

「カニ ツンツン」は、「もけらもけら」と同じ画家さんで、「もけらもけら」赤ちゃんのとき、大好きだった絵本です。何回も読んでいたので、やぶれてセロテープで補充してあります。もう破るということはしないと思いますが、きっとくりかえして読むことでしょう。

こどのとも「くじらのあかちゃんおおきくなあれ」は、神沢利子さんの文です。82歳で現役。わたしの目指したいところです。何のてらいもなく、わかりやすくて、擬音語がとても心地よいのです。それに、あべ弘士という画家さんの力強い絵。くじらといっしょに海にどんぶりいる感じがしました。

わが家には本箱にあふれるほど本があります。8年ほど前に、まとめて寄贈して減らしたことがあるのですが、今は、いつか、孫が読んでくれるだろうと置いています。これらの本でじゅうぶんだと思っていたのですが、それは思い違いかもしれません。本は読む読まないに関わらずどんどん新しく買うことも大切だと感じました。新しい本が混じると、本箱で澱んでいた本がいっしょに動き出します。

小さな本は、車のシール。「あ、はたらく車や」と大よろこびで、しっかり自分のお宝袋に入れました。

8月30日(水)「試してみて」

★「名まえが気に入ったので、注文しました」。というメッセージを添えて届いたのが、まあ、「とんぼの昼寝」という焼酎です♪ 「芋」「麦」ブレンドだそうで、興味深深です。わたしはビール派、いえ正確にはキリンビール派ですが、試してみます。焼酎デビューしてみるつもりです。ふるさとの味だというおつまみもいっしょに入っていました。

                    
                            幸せです♪

★えっ、「ツキを呼ぶ魔法の言葉」ですって♪ ふらりと寄った本屋で見つけました。 


                       


ごくごく当たり前の三つの言葉が、マイナス志向をプラスに変えるパワーがあり、ツイてる人生に、ガラリ一変するというのです。五日市剛さんという工学博士の体験本は、すでに60万部も売れているそうです。これはそれを紹介している雑誌でした。その3つの言葉、もうすでに有名なので、ここで書いても著作権の侵害にはならないでしょう。それは、嫌ななことがあったときこそ「ありがとう」。いいことがあったら「感謝します」。いつも前向きに「ツイてる!」というのだそうです。なぜ、そうなのかは、ぜひ本を読んでみてください。わたしには共感するものがありました。わたしの生き方と似ているというか……。嫌なことを「ありがとう」とはなかなかいえないのすが、後になって嫌なことがあったからこそと今があると思えることがしばしばあります。この本にも、「幸せは不幸な顔をしてやってくる」とも書かれていました。まさにその通りだと思います。人生、めげないことが一番かな。試してみてください三つの言葉。

★ヒット90000が近づいていました。告知をかねて、今日は早めに日記をアップします。

8月29日(火)「和馬くん」

★京都で、「ぼく、がんばったんだよ」のモデル和馬くんご一家とランチをしました。たっぷりおしゃべりを楽しみました。和馬くんは、キリギリス以上にスイカが好き。デザートのすいかを白い部分もおいしそうに食べているので驚いていたところ、なんの、なんの、緑の皮の部分もぽりぽり食べてしまいました。「ぼく、がんばったんだよ」がノートルダム学院小学校の夏の課題図書(3〜4年)になっているのですが、ノートルダムの課題図書になれば、大丸の書籍売り場に並びます。「並んでた♪」というので、いっしょに見に行きました。


                 


「とらちゃんつむじ風」も、がんばっていました。今日は、京都にいったついでに、営業もしました。ビルの中にオリジナル商品を扱っているすてきなお店があるのですが、ここの本コーナーにわたしの本を置いてもらえないかお願いしました。検討してくれるそうです。置いてもらえるようになったら、どんなお店か、ここでご紹介します。帰りに寄った某デパートの書籍炒り場の児童書のコーナーの棚ががら空きでした。ここでも交渉してみたところ、著者ルートでは扱っていないそうです。

★ゲラ校正をしたばかりの「誰よりもママを愛す」は、放映中に出版するということで、9月8日に見本本が上がってくるそうです。早っ! どんな本になるのか楽しみです。

★香坂直さんの「トモ、ぼくは元気です」を仲間の本でご紹介しました。

8月28日(月)「校正」

★ノヴェライズのゲラが届きました。早い! シナリオライターの遊川和彦さんのオーケーが昨日でたそうで、ほっとしました。何しろ11回もの連続ドラマを1〜2回分の長さにまとめるのは、たいへんです。独断でストーリーや登場人物をカットしなければなりませんが(今回、準主役を思い切ってカットしました)、最終回になって、その人物なしでは物語が成り立たなかったらどうしようかと、最後まで不安でした。場面をつぎはぎしつつ、子どもの視点で書き直しながら、原作者の伝えたいことが伝わっているか、それも心配の種でした。遊川さんは、飛ぶ鳥も落とす勢いの売れっ子のライターさんのなのですが、ノヴェライス作品を大らかに受け入れてくださったのは、ありがたいことです。

急ぎなので、校正、メールでしました。何ページの何行目を、どうするか、受け取る側が正しく理解できるには、面倒でも細かく指示しなければなりません。深夜2時までかかりましたが、クリアーしました。久々に両腕に痛みが走りました。腱鞘炎かも。タイガーバームを塗り込みました。

8月27日(日)「麺礼賛」

「UDON」を観ました。さぬきうどんが
ブームになるまでの火付け役としてのタウン誌の企画と、それに動かされて食べに来る人々の心理が面白かったです。香川県には、うどんを打っている小さな製麺所があちこちにある驚きと、そこでも食べさせてくれるという素朴な営業方法をいいなあと思ったのですが、どのうどんもあまりおいしそうにみえませんでした。そのうどんをかろうじておいしくみせていたのが小西真奈美の食べっぷりのよさです。男性の劣らず、がばっとすすりあげていました。去年の夏(7月10日)に、「ぼく、がんばったんだよ」の取材中に、筋ジストロフィーを支援する会主催の手打ちうどんをいただいたのですが、これは、とてもおいしかったです。生醤油で食べたもの、たまごをからませたもの、最高でした。きっと、実際のさぬきうどんは、これと同じようにおいしいのだと思いますが、映画を観たあと、夕食を抜いていたにもかかわらず、うどんが食べたいと思いませんでした。それは、わたしだけでしょうか。仏壇のお母さんの遺影、確か笠置シズコさんだったように思うのですが……。そういえば、いろんな人が出演していました


さて、麺が大好きなわが家は、よく麺類をいただきます。

            
                       今夏、いただいた麺類

たいていは、「揖保の糸」などのおなじみのソーメンなのですが、中には、珍しいものもあります。香川県のヒヤムギは、のどごし最高。サラダにもパスタのように使っても最適です。古式豊かな富山県の大門素麺は、長いままのソーメンをくるくるとまとめてあるという変わったものです。ゆでる前に折るか、茹でてから切らないと、のどにひっかかります。うさこさんちの粉を使って作られている(のだと思います)「夏めん」は、細うどんなのですが、だしもついて重宝しています。つるっと感がおいしいです。腰のある半生うどんをいただくこともあります。これは煮ても溶けないので、鍋物に重宝します。どの麺にも、きっと物語があるのでしょうね。

★原稿を出版社に送りました。企画に通れば単行本にしていただけるそうなのですが、あくまでも通ればということで、今は、なんともいえません。それでも声をかけていただけるのは、ありがたいことです。

8月26日(土)「大失敗」

★大阪に出かけるのでカルフールの駐車場に停めさせてもらいました。無料なので、停めさせてもらったときには、たっぷり買い物をすることにしています。というわけで、今晩はカルフールメニューでした。にんにく風味のカルフールチキンに大好物のオリーブと乾燥トマトのオリーブ油漬け、焼きズッキーニとなすのオリーブかけ(これ簡単なのに、すごくおいしい。決め手は塩とオリーブオイル)、チーズいろいろ、フランスパン。そのほか、夕べのお残りの肉じゃがやニシンのつけ焼きなどはあったにしろ、赤ワインでご機嫌な夕食でした。といってもワインはオーストラリア産のイエロー・テールで780円。それが、けっこうおいしいのです。

                 

             K山さん。いただいたエキストラヴァージンオイル、最高でした

★ソニプラが40周年記念ということで、ソニプラのステッカー(シール)の記念販売がありました。缶の中には、ミセスグロスマンデザインのおなじみにシールが少しずつ25種類入っています。わたしは、シールが大好きで、かなりいろいろ溜め込んでいたのですが、孫にどんどん使われてしまってもうほとんど残っていません。もう集めることはないと思いつつもかわいいので買いました。

                 

★今日の毎日新聞の連載に「一銭焼き」のことを書きました。詳しくは新聞を読んでいただくとわかるのですが、お年寄りらしき方から、一銭焼きには真ん中に穴があいていませんというお電話があったそうです。そういえば……。ずっと一銭焼きだと思ってきたのですが、うかつでした。それで読者や新聞社にご迷惑をおかけすると思うと、全く気の重いことです。

8月25日(金)「ミニミニ」

★ありがたいことに、わたしの本が出るとまとめて買ってくれる友人が何人かいます。そのうちの一人のUさんは、買った本を知り合いの学校の先生や図書室に寄贈し続けてくださっていました。そのつながりで今日、岸和田の図書館部の先生方が、夏休みの間にわたしに会って話を聞きたいとUさん宅に来られました。9人の先生方を前に、ミニミニ講演会をさせていただきました。

                                
      Uさんのお宅の階段には、なんとまあ、わたしの本がずらりと並んでいました。

よくぞまあ、暑い中をお運びくださってありがとうございました。テーマをいただいていたのに、話しはじめたら止まらないわたしです。終わりごろになって、「何のお話をすればよかったんでしたっけ」は、ないですよね。すみません……。わたしの福祉への思いは、「灰色バス変身大作戦」「まんざいでばんざい」「おじいちゃんとぼくのがんこ合戦」「行こうぜ! サーカス」、もっと枠を広げれば、「盲導犬不合格物語」「ぼく、がんばったんだよ」「命の重さはみな同じ」「ひいばあちゃんはごきげんぼくはふきげん」など、つまりどの本にも散りばめてあります。自分より弱い立場の人たちへの思いは、福祉活動をやめた今もわたしの中で渦巻いていることなので、今後も本を書くテーマとなっていくだろうと思います。みなさんのおかげで楽しいひとときでした。

         
       今日来てくださったみなさんは、子どもたちと本をつなげてくださる大切な方々です

★夕方、新聞社の記者さんから講演のお話をいただきました。戸惑いもあったのですが、わたしでよろしければとお引き受けしました。


8月24日(木)「いい関係」

★孫の保育園のお迎えがあるので、童話教室が終わると急いで帰らなければなりません。始まる前の約1時間を生徒さんとのコミュニケーションの時間として、カレッジの喫茶室で待機することにしました。

ちょうどランチタイムと重なりとても混んできました。昨日の日記でいきなりお知らせしたばかりなので、だれも来ないかもしれません。確保していたテーブルの椅子を、三人のご年配の方に譲りました。プールが終わって、これからおべんとうタイムのようです。お一方が、「あら、今日は下の孫娘が作ってくれたんやわ」とおっしゃっています。おとといは大学生の姉孫さんの手作りべんとうだったそうです。(なんてやさしいお孫さんなんでしょう)。わたしは感動して知らんぷりができなくなりました。同じテーブルに座っているのをいいことに、昔からの知り合いのように、お三人の会話にいれてもらって、あつかましくもおべんとうの写真を撮らせてもらいました。

                

お手紙には、「楽しく泳げましたか? 栄養たっぷりのおべんとうを食べて長生きしてください」と書いてありました。なんといい関係なんでしょう。おまけといってはあべこべですが、生徒さんの一人が、「書き直しのチェックをお願いします」と原稿を持ち込んできてくれました。1時間のゆとりの時間は無駄ではありませんでした。これからもずっと続けましょう。

今日の合評作品ですが、がんばって書けていたと思います。無からこれだけ書くのに大変だったと努力は認めます。ただ、心に響いてくるものがありません。何が欠けているのでしょうか? テーマがどうの、構成がどうの、説明文だという以前の問題で、まず考えてみてほしいことは、登場人物(特に主人公)の設定です。物語を運んでいく登場人物が魅力的でないと物語が弾みません。いらない登場人物も物語の展開を邪魔します。カットしましょう。2作品ともに、登場人物のチェックをしました。物語にふさわしい登場人物なら、書き手が操らなくても登場人物が動き出して、物語を運んでくれます。この感じを早く味あわせてあげたいな。

8月23日(水)「ゆとりの日」

★友人が今年もドイツに向かいました。来月15日までドイツ人のお宅をあちこち移動して滞在するそうです。彼女のドイツ語ですが、ヒヤリングはともかく会話は思うようにできないそうで、おしゃべりで辛口コメンテーターの彼女としては、「つまんない。こんどいっしょに行かない?」と誘われました。今度がいつになるかはともかく、返事はもちろん「イエス」。滞在型旅行は、ぜひしてみたいことの一つです。

★カザブランカをいただきました。8月11日にいただいたピンクの白だそうです。夏は、自分ではなかなかお花を買わないので、うれしいです。
     
                
                          いい香り♪

★いやあ、それにしても今日は、よく寝ました。いったん家族を送り出してからベッドに戻り、ときどきメールのチェックをするために起きはしたのですが、9時半頃から3時まで眠りました。ここ数日、あまり寝る時間がなかったせいか、まだまだ寝足りない感じです。夜、孫を寝かしつけながらそのまま眠りそうでしたが、電話がかかってきたので、かろうじて起きました。あしたは童話教室です。その準備をしましょう。

教室の生徒さんへ。教室のあと、前のようにゆっくりおしゃべりする時間がなかなかとれません。教室が始る1時間前に7階の例のところに行っています。時間のある方は、ぜひ。


8月22日(火)「がんばった」

★テレビドラマのノヴェライズ、今朝方脱稿しました。放映中に出版したいという意向を汲んで、最終シナリオを受け取って一日足らずで仕上げ、朝一で送って満足していたところ、三分の二の枚数にしてほしいと連絡が入りました。三分の二……。原稿用紙にして50枚分。登場人物を削るか、エピソードを削るか。これ以上は削れないと思ったのですが、夕方にはクリアーし、再度送りました。なんとかなるものですね。もちろん削った後の方が、良くなったと信じています。それにしても、とてもおもしろいドラマです。子どもの視点では、描けない過激な部分もあって、それがこのドラマの魅力でもあるのでどう処理するかがポイントでした。シナリオライターさんとテレビ局さんからオーケーがでるかどうかなのですが、そちらの了解を取る一方で、明日、印刷屋に入るそうです。二年も出版社で待機している原稿もあるというのに、この早さには驚きです。

                 

台本は、指示があり返却しました。最近、ネットオークションなどに出回ることがあるので、使用後の管理がうるさくなってきたそうです。

★「うめぼしばあばのおべんとう」の最終ゲラのチェック終わりました。「とんがり森の魔女」のときに担当してもらった記者さんから感想メールをいただきました。うれしかったです。なつかしかったです。

★この春から夏にかけては、長編〜短編まで8本の締め切りに次々追われましたが、すべてクリアーしました。終わってみればさみしいです(校正はまだ6本残っていますが)。あとは、締め切りなしの原稿にかかります。出版社に預けてある原稿のことも気になりだしました。

8月21日(月)「88888やーい」

★朝、夫を駅まで送って行っている間に留守電が入っていました。「今日、ボランティアの行事がありますか」というお問い合わせの電話だったのですが、はて、困ったことです。最近、ボランティアから遠ざかっているので、様子がわかりません。通常なら第3月曜日は、高齢者を対象にした「ぶらぶら散歩の会」があるはずなのですが、夏場は休みかもしれません。お返事をするまでに、地域会館を含めてSさん、Kさん、K川さん、Iさんと5箇所に電話を入れて、やっと確認できました。お問い合わせの方は車椅子でご参加されているので、早くお返事をと思うのですが、ずっと話し中。留守電を聞いてからお返事をするまで小1時間かかってしまいました。ボランティア活動をしているときは、しょっちゅうこういうことがあったなあと、フットワークの軽さが活動のすべてだった日々をなつかしく思い出しました。

★待っていたシナリオの最終が届きました。盛りだくさんな最終回です。どういう風にまとめるか、日中はかかりきりでした。先方さんはいそいでいらっしゃるので、集中します。

★香坂直さんの待望の第2作「トモ、ぼくは元気です」が講談社から出ました。

                   

ご本人から、「大阪の商店街の物語よ」と聞いていたのですが、帯には、「椋鳩十児童文学賞重症作家、待望の新作」と書かれていました。講談社の新人賞を受賞して単行本になった「走れ! セナ」は、処女出版された本の中から選ばれる「椋鳩十賞」をも受賞していたのです(ついでにいわせていただければ、わたしのはじめ本になった「モモイロハートそのこりゅう」は、椋鳩中賞の最終の5作に残り、そのご縁で長崎県の優良図書に選ばれました)。「トモ、ぼくは元気です」(このタイトルもいい♪)、おもしろそうです。1ページ目を見ただけで物語の中にひきこまれそうです。すぐに読みたいのですが、急ぎの仕事仕上げてしまいます。数日うちに「仲間の本」でご紹介します。

★カウント88888ヒットのご連絡がありませんでした。次は100000まで飛ばしてスッペッシャルバージョンにしようと思っていたのですが、90000に途中下車します。90000をヒットされた方、お知らせください。それまでに新刊は出ないので、魅力がないかもしれませんね。ま、よろしければということで。

8月20日(日)「冷蔵庫一掃」

★夫は早朝からヨット。次女は旅行中。昼から長女も出かけるということは……。午後からは孫の守りで身動きがとれなくなりそうです。行動するなら午前中。ということで、朝一で、「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」を観にいきました。― 手に負えないほど腕白な少年が主役というのがとてもよかったです。こういう型破り出「元気な少年は、今どきいませんでしょうね。それだけに、すきっとしました。クラスメートの
壮太と、幽霊として出てくる壮太の父ちゃんが泣かせてくれます。ナゾの少女の幽霊の実体にもほろりとしました。最後の海の上での幽霊のバトルは、いかにもうそっぽくてせっかくの物語が……と思いましたが、それ以外は楽しめました。もたいまさこのおばあさん、「三丁目の夕日」にも出ていましたよね。あの時は、特に意味の無い役というか、時代の背景としてでしたが。

★この1週間、「夕飯はパス」という家族がぱらぱらいたのですが、もしかして食べるかもといつも通り作ったので、冷蔵庫の中にはラップをかけたおかずがたまってしまいました。お盆休みなので、そのうちだれかが食べるだろうと思いつつも、夏場のこと、次々捨てるはめに。もったいないことです。年齢差のある6人分のおかずを毎日作るのはたいへんなのですが、すっきり食べてくれてこそ、翌日もがんばろうって気持ちになるんだなあとつくづく思っています。お中元でいただいた超上等なカニ缶をはりこんだ昨夜の酢の物、昼には乾麺をゆでて、マカロニサラダ風にしました。おいしかったのですが、孫とひいばあちゃんとわたしでは、これも残りました。明日は生ゴミの日なので、冷蔵庫一掃しなければ……。O157で大変だった夏を思い出しました。

8月19日(土)「健康グッズ」

★古典のリライト、推敲して送りました。ノヴェライズ、最終回のシナリオ待ちです。「ばあばのふろしき物語」を単行本用に書き直し始めました。もう1本、書き直しますといったままの書きおろし作品があるのですが、期限なしではどうしても後回しになります。毎日の連載の最終のゲラ校正(26から30回)が届きました。この「うめぼしばあばのおべんとう」は、表現に問題があると指摘を受けた個所がありました。短い例でいえば、「白米は(玄米に比べれば)いうたらカスや」といったような表現です。おばあちゃんのセリフなので、おばあちゃんの価値観としてかまわないと思うのですが、そうはいかないようです。食べ物の効用にしても、プラスになることはいいようなのですが、マイナスは偏見だと誤解されるといけないということで、その回は書き直しました。いわれてみればその通りなのですが、勢いが落ちてしまいました。連載中ですので、大幅に書き変えられず、かなり気落ちがしています。

★家に、不可思議なグッズがあります。

               
                (デジカメの充電器、まだ見つかっていません。
                 長女と同じ機種だったのを思い出して、借りま
                 した。こういうとき、同じものだと助かります)


スポンジ製のこの黄色い2本の棒は、夫が朝夕体操する時に使っているのですが、昼間はじゃまなので、いつも部屋の隅に立てかけていました。お盆休みの間、孫と昼寝をするときに、この上に寝そべってみました。気持ちいい〜! 背伸びをしたとき以上に、いい感じに背中の筋肉がひっぱられます。あまりの気持ちのよさにその日以来、パソコンに長時間座ったあとなど、この上で体を伸ばしているのですが、身長が少し伸びたような気さえします。鞍馬での疲れが早く来て、早く去ったのは、このおかけげかも。

8月18日(金)「息抜き」

★近くの本屋さんはありがたいもので、わたしの本を常においてくださっています。パンジョ紀伊国屋・光明池天牛書店・ファミリア和泉店さんなどがそうです(ファミリアさんについては、わたしの本のコーナーも特設されています)。先日、天牛書店さんをのぞいてみたところ、本の背表紙が変色していました。昨年末に出た「ぼく、がんばったんだよ」もです。店員さんは、「蛍光灯の光が強いので」ということでした。特に黄色や緑は色が飛ぶようです。これでは、売れません。今日は、本の交換にいってきました。

               
                       交換前の本たち
    「盲導犬不合格物語」と「命の重さはみな同じ」は動物物語のコーナーにありました

★いろいろなことが絡まって身動きできないんです、今。だからこそ、深呼吸しようと、「ミッション インポッシブルV」を観にいきました。スパイ・アクションの娯楽映画という一言では片付けたくない感動がありました。タイムリミット48時間の中で解決に向かうチームの緻密な連携と信頼感。それに今回は、イーサン(トム・クルーズ)が結婚するということで大きな山場もあり、ありえない設定が実にリアルに描かれていました。それにしても、ダイナミックなアクション、明晰な頭脳と判断力、
そして、想像を超えるハイテクなメカ。それらを駆使して展開されていくドラマにため息の連続です。上海のスラム街を愛する人のために全速力で走りぬけるイーサンのかっこよさは、厳重警戒の中、極秘物をかっぱらい超高層ビルから飛び降りるシーンよりも数段素敵でした。おなじみのエンディング音楽を聴きながら、やさし気持ちに浸っていました。

8月17日(木)「捨てる大事」

★芸能界一のお掃除上手で知られている女優の松居一代さんが、足の踏み場もなく散らかった安田大サーカスのクロちゃんの住まい(2LDKぐらい)を、自慢の技と風水を駆使して掃除しているところが放映されていました。黒カビがこびりついた汚い風呂場も洗面所も、見事きれいに蘇っていました。部屋も見違えるようにすっきり片付いていましたが、これは、松居さんの力だけではなく、軽トラックにあふれんばかりの不用品をゴミとして出したクロちゃんの決断によるものと思われます。

整理整頓は、捨てることとわかってはいるのですが、なかなか捨てられないものなのです。思い切って整理しはじめても、結局、衣類はたたんでまた押し込んでしまい、資料はいつかみようとファイルにはさんで積み上げてしまうのです。捨ててしまえば楽なのに、もしかしているのではという不安が先に立って捨てられないのです。机の上も下も本棚も、捨てるに捨てられない物(多くは紙類)であふれていて、気が滅入ります。

そして、今日も探し物です。筆1本なのですが、この筆がないとサインがうまくできません(他のものを買ってきたのですがだめでした)。たかが充電器なのですが、見つからないのでデジカメが使えません。見つかれば気分もすっきり……。ははーん、なるほど、この気持ちが風水につながっていくのかもしれません。わたしの部屋のように物があふれていると、気が流れないからいい運もこないと松居さんならいうでしょう。更に、時は金なり。探し物に時間をとられて肝心なことに集中できないのでは、せっかくの運にも逃げられてしまいます。あかん、あかん。それしても、筆や〜い。充電器や〜い。

8月16日(水)「痛い余韻」

★今日は、選手交代で、夫が京都に出かけました。大文字見物に。その大文字、わたしは昨日見てきました。といっても点火する前の大文字、つまり大文字山をです。がんがんと暑い日ざしの中、「大」という字を見上げながら、精霊を送るために山へ薪を運び、並べ、点火するという作業が、市民の人たちの手により何百年も(起源は平安時代とも室町時代ともいわれているそうです)守り続けられているということに、感銘を覚えました。そういえば、大文字の翌日、「空消し」を拾いに山に上るツアーがあったはず……。行ってみたいなあ。

               
            
    河原町今出川の交差点から大文字山を望む

とはいえ、今日は全身が凝り固まっています。ふくらはぎがきんきんです。肩も首もばんばん。頭もがんがんします。パソコンを叩いていても指先に力が入りません。鞍馬の余韻は痛さとなって、当分残りそうです。

★昨日、梅田の紀伊国屋をのぞいたら、「とらちゃん」ががんばってくれていました。光明池駅前の天牛書店でも。

               梅田紀伊国屋書店

               
光明池店牛書店

のびていられません。がんばろう(明日から)。

8月15日(火) 「ちょっくら鞍馬へ」

★「スルッと関西3dayチケット」というのがあります。有効期間中なら、関西の電車バスが3日間自由に使えて5000円なのです。これを使って、日帰りでどこかへ行こうねと友人と約束していたのですが、鞍馬に行ってきました。京阪電車で出町柳まで行って、叡山電車の乗りかえ、鞍馬駅まで行きました。途中、岩倉駅を通りました。すっかり変わっていましたが、娘時代、わたしはこの岩倉から大阪に通勤していたことがあります。というのは、ここに同志社の神学部の壮途寮があって、一時期、母がそこの舎監をしていたのです。京阪が三条までしかしていなかったので、肥後橋までの通勤は、2時間半はかかりました。朝6時すぎに露を踏んで出かけた遠い日をなつかしく思い出しました。

さて、鞍馬駅からは、急な部分はケーブル(別途100円)もあるのですが、友人が魔王の滝を見たいというので、歩いて登ることにしました。魔王の滝って、どんなのでしょう。どうどうと水しぶきをあげている滝をイメージしながら登っていきました。ありました、苔むした石の鳥居の右手上奥の赤い祠から流れ落ちていたのですが、こんな表現をしてはばちがあたりそうですが、なんとか小僧のおしっこよりまだ細い滝でした。写真に写ってはいはいるのですが、見えますでしょうか。

                 
                   
祠には木像の魔王さまが……

鞍馬寺までは、急な階段の連続でした。汗が流れ落ちるほど暑いのですが、止まれば涼しい風を感じることができました。あちこちに山水が湧き出ていて、手を洗い、口をすすぐたびに、疲れが遠のきました(牛若丸息つぎの水というのが奥の院にはありました)。

                
              
珠をしっかりつかんだ龍を何頭も見かけました

                 
               
ここから先が奥の院。まだまだ険しい登り道

              
                        
アートな木
 
              
                  
 鞍馬から貴船に越える木の根道

奥の院まで登りきったあと貴船に抜けたのですが、この下り坂がなんとも険しいのです。貴船から鞍馬に向かって登ってくる人もいますが、これはかなりきついコースだと思いました。貴船神社まで4000キロ余の山道をよくまあ歩いたものです。友人はサンダルでした。途中で、戦没者の法要の鐘の音が鞍馬寺の鐘楼から聴こえてくるかと耳をすませたのですが、その音は届きませんでした。貴船神社に着いたのは12時半。大繁盛している川床料理店を横目に、タイミングよく来たバスに乗って、貴船駅に向かいました。バスのクーラーがありがたかったです。

出町柳のレストランで昼食の後、インクラインを見たいという友人を案内して、南禅寺に向かいました。蹴上げて電車を降りて、曳き舟を見てから疎水に沿って下りました。


              
                      
インクラインの曳き舟

              
                  
アーチの上を疎水が流れています

アーチの横の階段を登ると、流れを見ることができますその流れをさかのぼっていくと、曳き舟のある場所にたどり着きます。わたしたちが歩いてきたのと反対のコースです。ロマンチックなことはもちろん、先人の知恵を垣間見ることができて、おすすめの散策道です。南禅寺を通り抜けて、疎水に沿って岡崎の美術館まで歩きました。琵琶湖からひかれている疎水は、鴨川と京阪電車線路の間を今も流れているのですが、流れが急で危険だからでしょうか、いつの間にかコンクリートで覆われて、この辺りでしたしか流れを見ることができません。

朝7時に家を出て夜8時すぎに帰宅するまで、暑い中、よく歩きました。乗り物は、すべてフリーチケットでまかなったのですが、興味深々でいくら分乗ったのかふたりで計算したところ、4340円にもなりました。友人は、このフリーチケットを利用して、高野山にも比叡山にも、和歌山にも行ったんですって。

8月14日(月) 「子どもの反応」

★孫を連れて、「森のリトルギャング」を観に行きました。「映画は、まだ早いんじゃないの?」と夫はいっていたのですが、動物が大好きなのと、最近テレビもしっかり観ているので、そろそろいけるかなあと思いました。「くまたんみたい」「おっきいてれび、ちゅき」とはしゃいでいたのですが、映画が始ってものの5分も経たないうちに眠ってしまいました。まだ朝の9時。お昼寝タイムにはかなり早いので、失神したんじゃないかなと心配しました。1時間半、爆睡していました。映画館の涼しさと暗さと音響が、眠りの世界にいざなったのでしょうか。映画デビューはまだ早かったようです。「森のリトルギャング」を観ていたまわりの子どもたちの反応に、ちょっと驚きました。笑いがわきあがるシーンや受けるシーンは、少し大人と違いました。大人のようにストーリーに感情が動かされるのではなくて、瞬間、瞬間のキャラクターのアクションやセリフ、ハプニングに反応していました。家族愛と環境問題などのテーマが小さな心に伝わるのは、何歳ぐらいからなんでしょうか。夏休みなので、映画館のロビーには、子どもがあふれていました。

★娘たちはそれぞれ出かけました。夫とひいばあちゃんと3人だけの夕食は、早々と終わりました(冬瓜とえびの葛あんかけ・小あじと玉ねぎの南蛮漬け・カニ缶ときゅうりをマヨネーズで・みょうがの甘酢漬け・ぬか漬け)。

★仕事も区切りがついたので、夜、また映画館へ行って「ユナイテッド93」を観ました。9・11にハイジャックされた飛行機は4機。2機は貿易センターに突っ込み、1機はペンゴンに激突しましたが、残りの1機、ユナイテッド93だけはハイジャッカーが目的を果たすことなく墜落しました。ハイジャックされ、かつ全員巻き添えになり死亡したという結末だけみれば、ユナイテッド93も他の3機と変わらないのですが、墜落寸前まであきらめずに戦った乗客たちにスポットを当てたことで、一層緊迫感のあるドラマになっていました。とはいえ、得た情報には限りがあったことと思います。感動的な映画になっていたのは、フィクションの力が加わったからだと思いました。近く、貿易センタービルに救助に入った消防士の実話が映画になって封切られます。ただでさえ感動的な話を、更に深く掘り下げ、人の心に刻み付ける人間ドラマにしたのは、創作の力だと思います。

わたしは、自分の書いた作品を、「ノンフィクション」という言葉で片付けられることに、むっとくることがあります。たしかに、「行こうぜ!サーカス」を書いたときは、木下サーカスを取材させてもらいました。「盲導犬不合格物語」も「命の重さはみな同じ」も、
綿密な取材を重ねたし、取材先に原稿をチェックしてもらっているので偽りは何一つ書いていません。「ぼく、がんばったんだよ」もモデルがあり、やはり取材をさせていただきました。でもどの作品も事実を羅列しただけではないのです。得た情報をどのような切り口で描いて感動につなげるか、取材後の作業は、創作なのです。子どもたちにメッセージがあるから書いているわたしにとって、「ノンフィクション」「フィクション」という分類の壁は、邪魔なだけです。

★東京の町子ちゃんへ

お里帰りのついでに寄ってくれたのね。留守にしていてごめんなさい。お土産ありがとう♪  


8月13日(日) 「緑茶礼賛

★茉莉龍珠(ジャスミンリュウシュ)という中国茶を見つけました。福建省で栽培された白毫銀針の茶葉に香り付けしたものらしいのですが、ジャスミンの花のつぼみを茶葉の下に敷き、香りをすわれた花の蕾を捨てて、また新しい蕾を敷くという作業を3回繰り返すそうです。その後、ひとつひとつ手で丸めて作られた手間のかかった贅沢品と説明に書かれていました。


              
ぎゅっと丸まった茶葉。手作業だそうですが、もしかしたらつばをつけて丸めているのかもとふと思いました。

              
         
お湯を入れ、茶葉が開くと、なんとまあ、珠の中心は根のようです

              
                
 おたまじゃくしの観察を思い出しました

香りはとてもいいのですが、味は……。このところ毎朝、煎れ立ての緑茶をペットボトルに入れて氷水で急速冷却して、冷蔵後で更に冷やしておきます。日が暮れるまでの間に、小分けして飲んでいるのですが、甘くって疲れがふっとびます。緑茶は、最高です。

古典怪談の再話できあがりました。短編2作のうちの1作は、大人でも目を伏せたいような残忍でグロテスク、後味の悪くなるような描写が多々ありました。古典と割り切ってそのまま書くべきなのか、イメージを崩さないように創作した方がいいのか……。締め切りは今月末なので、もう少しおいてから推敲しようと思います。
 
               

8月12日(土) 「カラーゴム」

★カラーゴムは、わが家の必要アイティムです。毎朝、孫の髪の毛をくくるのに最低4個はいります。飾りのついた市販のおしゃれなゴムは、幼児の少ない毛にはするりとぬけてしまってだめなのです。重宝しているのが、アメリカに行ったときに、事務用品のお店で買って来た輪ゴムボールです。



             

                       右は未使用のもの

朝のひととき、テレビの幼児番組をいっしょに見ながら、「どの色にする?」ときくと、「赤」とか「黄色」とかいい、1本1本渡してくれます。三つ編みにしたり、うさぎさん風にしたり、かなり個性的なヘアースタイルができあがっていきます。

                         


                       

ウサギや犬、ネコ、ブタなどの形をした輪ゴムも買ったのですが、外したあとすぐ紛失してしまい、今は一個だけになりました。その点、ボール式の輪ゴムは、使っても使ってもあるので、ルーズなわが家にはぴったりです。それでも残り少なくなってきて心細く思っていたら、あと1個未使用のものが見つかりました。 ラッキー♪

★今日は1日中家にいて、すき間、すき間に、パソコンを叩いていました。今月中に仕上げなければならない仕事3本のうち2本進みました。


8月11日(木) 「グッドニュース」

★ご仏前にといって、ピンクのカサブランカをいただきました。いい香りです。

             

★「ぼく、がんばったんだよ」が、北海道の冬休みのテーマブックになったというお知らせを汐文社さんからいただきました。冬休みに向けて、もう動いてくださっているのだと、ただただありがたく思うばかりです。というのも、昨日、「とらちゃんつむじ風」が、「
2006年度 先生がすすめる夏休みの本」(緑陰図書)の帯をつけてもらって、書店でがんばっているのを見てきたところなのです。「命の重さはみな同じ」も、NACの選定に入ったので刷り増しの通知をいただいています。どれもこれも、はげみになります。

             
                      パンジョの紀ノ国屋

更に、はげみになる電話が2件かかってきました。1つは、わたしの仕事のこと。初めての出版社さんとのつながり、実現するのでしょうか。もう1つは家族の快挙。まだ詳しくはここに書けないのですが、どちらもわたしにとって、とびっきりのグッドニュースでした。

★日中は集中して仕事をしました。そして夜も。がんばるときは、がんばります。

8月10日(水) 「ふたりのばあば」

★長い間、ご愛読ありがとうございました。おかげさまで、毎日小学生新聞に5月18日から連載していた「ばあばのふろしき物語」が、今日を持って無事終わりました。 生き方には、それぞれその子どもに合ったものがあって、選択は自由です。一回しかない人生、世間の価値観に振り回されないで、その子らしい色で、羽ばたいてほしいというおっせかいおばさんがばあばに託したメッセージ、子どもたちの胸に届いたでしょうか?
     

     
                「ばいばい またね」  ペンギンスタジオ 粟田伸子 画

もうひとりのばあばが、今月いっぱい毎日新聞でがんばっています。「「よんであげて」連載中のこちらのばあば(「うめぼしばあばのおべんとう」)もよろしくお願いいたします。

                
                           塚本やすし  画

★パンジョ童話教室の日でした。公募ガイドを買って自主的にチャレンジし始めた人もいますが、今日は、わたしの応募時代のファイルの一部を持っていき、みんなのチャレンジ精神を掻き立てました(そのつもりですが)。童話作家への道は待っていても開けてきません。与えられた公募に応募しているだけではなく、自分で自分の進む道を開拓していく心構えが欲しいです。

8月9日(水)

朝一番に、もういちど墓参しました。わたしが小学生の頃住んでいた町はすっかりさまがわりしていますが、この自転車屋さんだけは、昔のままです。

               

「恋するトマト」を観ようと、京都シネマにかけつけたのですが、開演までに時間があったので、以前日記でご紹介したところ、問い合わせが数件あった地球儀のある喫茶店にいきました。店内はゆったりしていますが、みんなで100席あるそうです。ゆっくりまわる地球儀のまわりには16席。ちょっとまえまでは、7人座っていましたが、隣の席の人が気になりません。 

               
             地球儀にはコーヒー豆の産地にチェックが入っています
             それもそのはず、この店の名前は、「world beans」

お客さんのほとんどが、本を読んだり、ノートを開いて何か書き込んだり、中にはパソコンを開いている人もいるので、心置きなく自分の世界に浸ることができます。古典のリライトの構想を練り、「ダビンチコード」の(中)をクリアー。(下)に入りました。「ダビンチコード」、とてもおもしろいです。映画は本に忠実に製作されていましたが、映画にないところも本には書かれていて、ああ、そうだったのかと、たびたび、すとんと落ちました。映画ではあれほどおぞましかったシラスに哀れみの気持ちが持てたことが救いで、その部分は映画にもぜひ描いて欲しかったと思いました。映画では交通事故で生き残ったのはソファイだけでしたが、実は……。もう1回、映画が観たくなりました。「マグダラのマリア」も買ってあるので、続けて読みましょう。

「恋するトマト」、よかったです。農家には嫁が来ない。そのために農業をやめる若者が増えている日本の現状をエンタテイメントとしておもしろく描かれています。が、ストーリーが展開していって、フィリッピンの農村風景が映ります。刈り入れもすべて手作業です。たんぼにはたにしや虫がいます。自分の家の刈り入れが終わったら、近所や親類を手伝い、収穫に少なかったところには分け合っています。太陽と水と土があれば、なんとか生きていけるという姿勢に感銘を受けました。映画が終わって外にでると、「え、泣いてはる。この映画、悲しいのん?」という声が聞こえました。悲しいのではなく、ほっとした安堵感に泣けてしまいました。「ばあばのふろしく物語」、いよいよ明日で連載が終わりますが、「恋するトマト」と相通じるところがあるんですもの。

★さあ、行かねばなりません。六道さんにお精霊さん(先祖の霊)をお迎えに。京都に泊まったのは、このためです。四条烏丸からいやあ、暑かったです。帰り道、五条坂で開かれている陶器市をのぞきました。買うまいと思っていたのですが、一枚中皿を買いました。

                  
                 廻り灯篭に灯を入れて、お供えをしました


8月8日(火) 「京都一泊」

★墓参しました。お盆なので墓前に薪もお供えしました。ご回向もお願いしました。
        
            

いっしょにお参りしてくれた次女と夕飯を食べに行きました。うなぎの寝床といわれている京の家は間口に対し、奥行きが深いです。食事に入ったお店の通路にはおくどさんが。現在も、ちゃんと使われていました。この左手奥に、お座敷がずずっとありました。

    


★泊まったのは三条京阪のすぐそばにある「いろは旅館」。ここは、おすすめです。一部屋いくらなので、泊まった人数で頭割り、しかも割引システムもあり、空いているときならひとり855円で泊まれることもあるそうです。わたしは二人で6500円でした。それでも4割引というお安さでした。冷蔵庫などはオプションでつけることができます。

★昼間、映画を一本観ました。「ゆれる」です。大揺れに揺れてしまったのは、こころやさしい兄……、それともわが道をいく弟……。ふたりの間でどうしようもなく揺れてしまったのは智恵子。兄が智恵子の殺人容疑で逮捕され、一家離散の結末もありうる展開でした。この一家を救ったのは、兄と父親が経営するガソリンスタンドで働いていたバイトの青年。脇役でしたが、いい役どころでした。オダギリジョーも香川輝之もうまく、観ているわたしの心も揺れました。

★和馬くんのパパと喫茶店でおしゃべりしました。あいかわらず忙しそうです。生き方が前向きなので、元気をもらいました。


8月7日(月) 「手紙」

★ペパーミント酒が漬かりました。さわやかです。お酒というより、清涼飲料です。


                


★「命の重さはみな同じ」が増刷になりました。NACの選定図書に決まったそうです。「ぼくがんばったんだよ」は、モデルの和馬くんが通っているノートルダム学院小学校の3・4年生の課題図書になったそうです。本が活躍してくれるのはうれしいです。土曜日に速達で届いた依頼(古典のリメイク)について、依頼先の担当さんから電話がありました。「質問はないですか」ときいてくださったので助かりました。実は、古典ということもあり、ストーリーの真意がつかめなかったのです。2〜3日温めていれば何か見えてくると思っていたのですが、電話でお話していて、古典を素に創作してもいいのだとわかり、ほっとしました。それでも難しい課題で、しばらく温めておこうと思います。といっても、締め切りは今月末。

★手紙が届くと、わくわくします。本の感想やその方の近況、はげましなど何度も読み返します。そして反省します。わたしは手紙を書くのが苦手なのです。どうしても書かなければならないときは、パソコンで書いたものをプリントアウトして送るのですが、味気ないものです。手書きのお便りはその方の暖かさが伝わってきます。やさしい思いが、行間からこぼれます。

                
                   今日、またはこのところ届いたお便り


8月6日(日) 「モダン」

★テル(ねこを洗いました。洗ったあとは、さすがに白茶の白が冴えています。「まっくも、あらう〜」と孫がわめくので、シャンプー嫌いのマック(犬)も洗われることになりました。おとなしくしていましたが、風呂場から出たとたんブルブルをして、廊下は大洪水になりました。「ちっちも、あらう〜」といいだしたのですが、チッチ(猫)はとても臆病なので、いつも孫から逃げています。狭い風呂場で孫にシャンプーされた日には、パニクってしまいます。「チッチはお風邪だから」と
いうことにしました。

★昨日、今日と地域の夏祭りでした。孫はいただいたゆかたを着ました。COMME CA ISM のもので、かなりモダンです。

                 

ゆかたとはいっても、後ろがファスナーになっていて、ワンピースそのもの。前がだらしなく乱れないので、動きの多い子どもにはぴったりです。これにピンクの兵児帯をしました。ママとじいじをお供に元気に出かけ行きました。わたしは急ぎの原稿があるので、今年はパスです。行けば久しぶりの人に会っておしゃべりに花が咲き、すぐには帰れないにちがいありません。

★一日パソコンに向かっていました。締め切りは目前。今のうちに書き進めていかないと。先日、高齢者クラブさんからいただいたお酒は、ワインだと思っていたらシャンペンでした。おいしくいただきました。そして、眠ってしまいました。明日からはしばらく飲まないでおこう。

8月5日(土) 「すごい」

★いやー、よく寝ました。寝る子は育つというけれど、年を重ねるにつれ、たっぷり睡眠時間が必要になってくるのかもしれません。わがやのひいばあちゃんは、元気はつらつとしたキャリアウーマンだったのですが、いつ部屋をのぞいても、うつらうつらと眠っています。でも、がんばるときはがんばります。昨日、「お昼どうする?」と部屋をのぞいたら、もぬけの殻。夫が、「さっき駅まで送っていった。大阪で用事をすませてくるってさ」といいました。家の中でもステッキをついているのに、ねじが巻かれたときはすごいです。

★A木さん、間に合ましたね、8月6日に。「PRIDE」は、被爆体験のある在日人李実根さんの自分史です。

                      

「だれか聞き取りをしてくれる人を紹介してもらえませんか」と汐文社さんからメールがあったのは、昨年の6月のことです。地域のミニコミ紙の記者を止めたばかりのAさんを推薦しました。自費出版だそうで、先方の希望は、今年の原爆記念日までに本にすることでした。今までに何度も本にしようと試みられたのに実現しなかったのは、李さんの戦前戦後が一冊の本では描き切れないほど重いものだったのかもしれません。8月6日までに出版にこぎつけられるのかと不安に「かられたこともしばしばだったようですが、堂々と間に合いました。やったね、A木さん♪ 汐文社さんから、「いい書き手を紹介してくださって社員一同感謝しています」というメールをいただいたぐらい感動的に書かれていました。これをきっかけに書き手として、どんどん羽ばたいてください。「PRIDE」については、仲間の本で紹介しました。


★梅干をいただきました。84歳のKさんが漬けられた梅干は、連載中の童話「うめぼしばあばのおべんとう」へのエールだと感じました。1日に1個、必ず梅干を食べているというKさんが、知らず知らずのうちに、うめぼしばあばのヒントになっていたかもしれません。

                 

ふたにメモがはってありました。左から「去年の梅干」「今年漬けた小梅」「今年つけた塩分20%」「今年つけた塩分10パーセント・氷砂糖・焼酎」ですって。ありがたや、ありがたや。

★速達で、依頼内容が届きました。おもしろい仕事なのですが、締め切りが早いのです。なんだか最近、急ぎの仕事ばかり入ってきます。

8月4日(金) 「日記」

★日中は、ずっとパソコンに向かっていました。見通しがついたようなつかないような。ノヴェライズの難しさは原作者の思いをどこまで掬い上げられるかということかもしれません。11回ものシナリオに込められた書き手の思いを1冊の本にまとめるには、大胆に削らなければならないのですが、ほんとうにこの人物、このシーンをカットしてもいいのだろうかと悩んでしまいます。でも、自分以外の作家さんの懐に飛び込んでいって物語に浸るのは楽しいです。最終回までにどんなどんでんがえしがあるのでしょうか。シナリオが届くのが待ち遠しいです。ただ、かなり急ぎの仕事なので、最終回が届いてからが勝負です。

★夕方、高齢者クラブの代表さんから、ワインが届きました。空き缶つぶしに協力しているお礼だそうです。まあまあ。わずかな収入しかないのに、気を使ってもらって申し訳ないことです。お気持ちなので、ありがたくいただきました。

                  
                大ぶりのビンです♪ さっそく冷やしました。

★日中がんばったつけがきました。夜は早々と寝て、夜中に起きるつもりが、かろうじてメールを1本打ってまた寝ました。この日記、翌朝つけています。日記をアップしないと、「ダウンしたの?」と心配してくれる友人もいるのです。だいじょうぶです。眠いだけで元気です。でも、いつか、ぱったり日記が途絶える日が来るのかもしれないと、先日亡くなった漫画家赤塚不二夫さんの奥さんのことを偲びつつ、思いました。奥さんのまちこさんは、とっても元気な方で(もちろん面識はありませんが)、長期にわたってご入院中の赤塚不二夫さんをはげまし、看病されていました。が、先日突然倒れて、先に亡くなってしまわれたのです。そのブログを拝見して、泣きました。タモリさんがさくらんぼを毎年送っていらしゃって、それを病院に持っていかれた時のようすが書かれていました。日記は生きていた証なのかもしれません。

8月3日(木) 「恩人」

★玄関脇のさるすべりが満開です。樹の表面がつるつるしていてサルもすべりそうだからというのでこの名前がついたと聞いたことがありますが、百日紅と書いて「さるすべり」とは、こはいかに。

                
                    レースのようにふりふりがかわいい

「日本沈没」観ました。映画のストーリーは、リメイクということもあって、阪神淡路大震災のこともうまく取り入れてありましたが、主役に都合よくできていて(主役に関係のある人が運よく生き残る)、ちょっとしらけたのですが、一方感動もしました。キャッチフレーズに、「国土だけでなく、心まで失ってしまうのか?」とありましたが、「国土を失うことで、人間の心が復活した……」、そんな思いもしました。映画の中での話しですが、緊急対策にあたり政府が有識者にアンケートをとったところ、「なにもしなくていい」という意見が少数ながらあったそうですが、わたしも同じ意見です。それにしても、いざというときの自衛隊の救助活動は、心強かったです。原作はいわずと知れた小松左京さんですが、1973年に書かれたのですから、着眼点に改めて驚かされました。

小松左京さんは、わたしにとって恩人です。というのは、1996年の恐竜文化大賞の審査委員長が小松左京さんでした。絵本と童話と双方の公募だったので、プロの絵本作家の方の応募もあり、すてきな恐竜の絵本がそろっていたそうです。が、審査委員長の小松左京さんが、絵より文字に重きを置いて、わたしの「モモイロハートそのこリュウ」を推してくださいました。他の審査員の中には絵本作家の方もいらっしゃって、少し不服だったようですが、委員長の一言は大きく、わたしが大賞をいただくことになったようです。副賞で単行本にしていただいたのが単行本デビューです。そこで、汐文社さんとのつながりができ、今日に至っています。もし、小松左京さんが審査委員長でなかったら……。

★上坂和美さんの「七つ目のフシギは?」が載っています。(なーんだ怖くない)と思った話が、実はめちゃ怖い。その落差がすごいです。他に知っている人の作品も載っていますが、まだ上坂さんの作品しか読んでいません。先に贈呈してもらった本もあるので、それを読まなければならなりません。彼女は、とんぼの会のメンバーで、いちばん近い創作仲間ですので、とりあえず日記にアップしました。詳しくは、近いうちに仲間の本でご紹介します。

                       
                       14の怖い話が載っています

「仲間の本」にアップしました。北ふうこさん、あだちわかなさん、おちまさこさんの作品も載っています。
                             

8月2日(水) 「感謝」

★高齢者クラブのアルミ缶回収の日でした。ボランティアで参加してくれる人がじわじわ減って、今日はたった3人でした。プラス高齢者5人(うちふたりは、車で回収担当)。夏場は空き缶も多く、杖を頼りに、ときどき腰をのばしながら熱気のこもったガレージの中で、空き缶をつぶしているおじいちゃんたちを見ていると、辛くなってきます。自治会の役員さんがどっと手伝いに来てくれていた年もあったのにと、つい思ってしまいます。きっと年度代えの時の引継ぎがうまくいっていないのでしょう。人手が増えれば、そう時間はかかりません。毎月第1水曜日 9時〜)。よろしくお願いいたします。回収した空き缶の入ったビニール袋に、「いつもありがとうございます」と書かれた張り紙を見つけました。

             

さりげない一言の思いやりで、疲れもふっとんでしまいます。空き缶を出していただいて、こちらこそありがとうございます。

★ハンドルネームでいただいていたメールを消してしまいました。申し訳ありませんでした。でもわかってよかったです。迷惑メールは日々多くなっています。件名を頼りにして「消す」、「消さない」を決めています。あの人かも……と迷惑メールを開いてしまうこともありますし、反対に大切なメールを消してしまうこともあります。残念なことは迷惑メールは、(しまった)という思いとともに確認できるのですが、消してしまった大切なメールは、再度ご連絡いただかないと、永遠に気づかないことです。差出人か、件名で私信だとわかるようにお願いします。

★今日は、がんばりました。夫が在宅で、保育園のお迎えに行ってくれるというので時間を気にせずにパソコンに向かうことができました。ちょっとスランプかなと思っていた状態から抜け出ました。仕事着のまま車で生協に飛び込みました。わたしの行く生協はこじんまりとしているので、5分で買い物をすませることができます。食材も安心なのですが変わったものはあまりなく、おかずがマンネリ化してしまうのが難点です。そんな中、今日は、天然鯛が格安だったので二ひき買いました。三枚に下ろして、削ぎ切りにして青じそと水菜を混ぜて、サラダにしました。アラはごぼうと豆腐と煮ました。ニシンの旨煮。これはお酒のあてにも、ごはんにもおいしいです。小さなじゃこを黒ゴマといっしょに炒って、砂糖醤油でからめました。黒ゴマは、若返りビタミンであるビタミンEが多く含まれることから、不老長寿のための食品といわれているそうですが、微妙にくせがあるので、じゃことは合いますが、デリケートな食材には向かないかもしれません。

8月1日(火) 「あひるのひよけ」

★引退犬支援のための2007年度のカレンダーの詳細が決まりましたと、JSDA(日本サービスドッグ協会)から連絡が入りました。カレンダーのかわいいイラストと、それに添えられているコメントが2006年度版も好評でした。詳細は、
「引退犬の部屋」でごらんください。利益は引退犬のために使われます。応援していただけるとうれしいです。尚、このカレンダー、去年はライトハウスで販売したのですが、今回はJSDAで販売されます。

                2006年のカレンダー(ライトハウス扱い)
                 
          おねえたんは元盲導犬候補生、泳ぎがとても上手いんだよ。
           ぼくは、現役盲導犬候補生、泳ぎはとても苦手だよ。
      レトリバーだからって、泳げるワンコばかりじゃないんだよねえ〜これが。


★予告編で聴いた挿入歌が耳に残って離れません。よし、観にいこう、
「ゲド戦記」。夏休み、しかも1stデーなので、きっと混むと思って、ランチにかかる時間帯を選びました。集中できる昼間にもったいないと思ったのですが、正解でした。次の回は、かなり混みそうな気配でした。
  
      ♪ 夕闇迫る雲の上、いつも一羽でとんでいる 鷹はきっとさみしかろう

だれでも死ぬのは怖いことです。でもいつかは死ぬと知らされているのですから、それに向かって生きていけばいいのだと映画は語っていました。人は、命をつないで精いっぱい生きていくだけです。善と悪、光と影のバランスがくずれ始めてきたのは、永遠の命を求めているものがいたからです。いつの世も、心ある大人が子どもを育み、守ってやらねばならないのだとハイタカとテナーを見ていて思いました。アレンが、王である立派な父親をいきなり殺してしまったことに対する咎めが描かれていないのは(むしろ止むを得なかったように描かれているのは)、いかがなものでしょうか。ラストに国に帰って裁きを受けるとなっていますが、親を殺めたことによって、アレンの不安や悩みは深くなるばかりだと思いました。岡田准一の声は、アレンにぴったりでした。クモの田中夕子も、テナーの風吹ジュンも。

★悲しいことです。車を停めた場所がわからなくなりました。2階の駐車場は混んでいたので3階に上がり、エレベーターとは遠いところに停めたはずなのに、車がないのです。行ったり来たりしていると、わたしと同年輩のおばさん二人が、同じように、「どこやろ、どこやろ」と車を探しています。「盗られたんちがうやろか?」といいながら。わたしの場合、それはないと思いました。何しろわがやの車は15万5千キロ以上走っているのです。そんなおんぼろ車をわざわざ盗る人なんかいません。だったらどこへいったのでしょう。念のため2階もみました。そして、また3階へ。見つかりません。もしかしたら盗られたのかもしれないと思えるようになってきました。新しい車なら大さわぎして探すかもしれないけれど、わがやの車なら、さわがれずにすむという理由で……。屋上には停めていないと思っていましたが、ふと、頭をかすめたことがあります。わたしが止めた隣の車に、あひるの日よけがしてあったのは、なぜ? 陽が当たるから……? まさかという思いで屋上にいってみると、エレベーターから遠い位置にわたしの車が待っていました。悲しいことです。記憶の減退。

★毎日新聞の連載「うめぼしばあばのおべんとう」が始りました。ここをクリックすると読むことができます。